国立研究開発法人 農業生物資源研究所 遺伝子組換え研究センター
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QⅠ-10 | 遺伝子組換えをするときに用いるマーカー遺伝子とはどのようなもので、何のために使うのですか? |

マーカー遺伝子は、遺伝子組換えの際に目的とする遺伝子が導入されていることを確認するための目印として、一緒に組み入れられる遺伝子のことです。
遺伝子組換え植物を作製する場合、主に薬剤(カナマイシン、ハイグロマイシンなどの抗生物質)耐性遺伝子や、除草剤耐性遺伝子などが 使われます。例えば、カナマイシン耐性遺伝子をマーカーとして使用した場合、遺伝子導入処理をした細胞を、カナマイシン入りの培地で培養します。 すると、目的の遺伝子と一緒に、カナマイシン耐性遺伝子が組み込まれた細胞だけが成長できるため、組換えが起こった細胞を選抜することができます。
遺伝子組換えカイコの場合は、蛍光タンパク質遺伝子が主に使われています。目的遺伝子と一緒に蛍光タンパク質遺伝子が組み込まれた個体だけが蛍光を発するため、 そのような個体だけを卵の段階で選んで飼育することができます。
哺乳類の遺伝子組換えの場合は、植物の場合と同様に薬剤(ネオマイシンなどの抗生物質)耐性遺伝子が主に使われています。 遺伝子を導入した細胞をネオマイシン入りの培地で培養すると、目的の遺伝子と一緒にネオマイシン耐性遺伝子が組み込まれた細胞だけが生存できるため、組換えが起こった細胞を選抜することができます。