<前の質問へ 次の質問へ>
QⅡ-5 健康に役立つ機能性の遺伝子組換え農作物とはどのようなものですか?

 遺伝子組換え技術によって、私たちの健康に良い農作物の開発が進められています。例えば、体に良い油として注目されているオリーブオイルより、さらに多くのオレイン酸を含むダイズが開発されています。 オレイン酸には、血中の善玉コレステロールはそのままにして悪玉コレステロールだけを下げる効果があることが報告されています。

 また、β-カロチンを含むコメの開発が進められています。このコメは黄金色をしていることから『ゴールデンライス』と呼ばれています。 発展途上国ではビタミンA不足が深刻な問題となっています。特に、東南アジアやアフリカなどの発展途上国では、年間約50万人の子供がビタミンA欠乏に起因した眼球乾燥症で失明し、さらにその半数が失明後1年以内に死亡していると推定されます。 β-カロチンは、体内でビタミンAとなるため、主食であるコメからβ-カロチンを摂取できることにより、ゴールデンライスはビタミンA不足を解消する手段として期待されていて、早期の栽培が望まれます。

 そのほか、中性脂肪や血圧を調整する作用のあるタンパク質を多く含むイネの開発や、ダイズやコメにもともと含まれているアレルギーの原因になる成分を少なくして、これらにアレルギーのある人でも安心して食べることができる農作物の開発が進められています。