国立研究開発法人農業生物資源研究所 遺伝子組換え研究センター
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QⅣ-4 | 生物多様性影響評価の具体的な評価手順を教えてください。 |

生物多様性影響評価は、遺伝子組換え生物等の第一種使用等(遺伝子組換え生物等が環境中に拡散することを防止する措置を執らないで行う使用等)により我が国の生物多様性に影響を及ぼすおそれがあるかどうかを明らかにするために行うものです。 最新の科学的知見を踏まえ、遺伝子組換え生物等の第一種使用等についてカルタヘナ法に基づく承認を申請する者が評価書を作成し、その内容の妥当性等を学識経験者が科学的な見地から検討することとなっています。
生物多様性影響評価の手順・内容は次のようになっています。
ⅰ | 生物多様性影響評価を行うために必要な情報の収集 | ||
① | 遺伝子組換え生物等のもととなった組み換える前の生物(宿主)又は宿主の属する分類学上の種に関する情報 | ||
② | 遺伝子組換え生物等の調製等に関する情報 | ||
③ | 遺伝子組換え生物等の使用等に関する情報 | ||
以上の情報を収集した上で、これらの情報を踏まえて生物多様性影響評価を行うこととしています。 なお、以下の手順に従って評価を行う際に、これ以外の情報が必要なときは、追加して情報収集を行うこととなります | |||
ⅱ | 手順1:影響を受ける可能性のある野生動植物又は微生物の特定 遺伝子組換え農作物の場合であれば、 | ||
① | 競合における優位性 | ||
② | 有害物質の産生性 | ||
③ | 交雑性 | ||
などの性質に着目し、これらの性質により影響を受ける可能性のある野生動植物又は微生物を特定します。 | |||
ⅲ | 手順2:手順1で特定した野生動植物又は微生物が受ける影響の具体的内容の評価 手順1で特定した野生動植物等が遺伝子組換え生物等から受ける影響の内容について、①から③の項目 ごとに実験や関連する情報を収集して評価します。 | ||
ⅳ | 手順3:影響の生じやすさの評価 ①から③の項目ごとに野生動植物等の生息又は生育する場所又は時期その他の関連情報を収集して評価 | ||
ⅴ | 手順4:①から③の項目ごとに手順1で特定された影響を受ける可能性があると特定された野生動植物の種 又は個体群の維持に支障を及ぼす可能性の有無の評価 | ||
ⅵ | 手順5:それぞれの項目の評価結果を踏まえ、生物多様性影響の生ずるおそれの有無について総合的に 判断します。 | ||
生物多様性影響評価は、以上の手順・内容で行われます。 |

参考; | 遺伝子組換え生物等の第一種使用等による生物多様性影響評価実施要領(PDF) |
農林水産大臣がその生産又は流通を所管する遺伝子組換え植物に係る第一種使用規程の承認の申請について(PDF) | |
農林水産大臣がその生産又は流通を所管する遺伝子組換えカイコに係る第一種使用規程の承認の申請について(PDF) |