【ポイント1】 刈払作業では体の保護もしっかりと |
《なぜ》
- 刈払作業では、切断した草、小石等がたくさん飛んできます。また、草むらの中には、異物が隠れていることがあります。
- 万が一のために、自身も保護具で守りましょう。
《対策ポイント》
- 手袋、安全靴、保護メガネ又はフェイスシールド、イヤーマフ、すね当て、その他の保護具を着用します。
- 保護メガネには、曇り止めを塗ります。
- エンジンに触れた時の火傷、刈刃の交換時の切り傷を防ぐためにも、必ず手袋を着用します。

手、目、脚等を保護具で守りましょう。
《追加のヒント》
- 刈刃をヒザより高く持ち上げると、顔面に飛散物が衝突する可能性が高くなります。刈刃をヒザより下げて作業します。
- 刈刃への巻き付き、詰まりは、必ずエンジンを停止させ、刈刃が止まったのを確認してから取り除きます。
《ヒヤリ、事故》
- 畦畔の草刈中、木片が飛んで来て足にあたり、数日痛かった。
- ぶどう園の下草刈作業中に棚の針金が飛んで長靴を通し左足に刺さり負傷した。
- 草むらの中に大きな石があり、刃が欠けて目に飛び込んできた。直前に雨が降ってきたので防護メガネが水滴で見えにくくなり外していた。
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【ポイント2】 刈払機の刈刃は必ず点検を |
《なぜ》
- 刈刃にヒビが入ったり、欠けたまま、刈払機を使用すると破片が飛んできて危険です。
- 刈刃の取付けネジは、「左ネジ」のことが多く、締め付けたつもりが誤って緩めてしまうことがあります。作業前に確実に点検しましょう。
《対策ポイント》
- 作業前に、刈刃のひび割れや欠け等を点検し、異常がある場合には新しいモノと交換します。
- 刈刃は確実に固定します。(ネジを回す方向に注意する。)
- 取り付けた後、回り止め工具は必ず外しておきます。その他のネジの緩み等も点検します。
- 使用中に異常を感じた場合には、必ずエンジンを止めてから刈刃等を点検します。
- 岩、石、切株等障害物に接触させると、刈刃が破損することがあるので、刈刃を点検します。
刈刃は確実に固定します。刈刃に異常がある場合には新品と交換します。
《追加のヒント》
- 刈刃を取り扱う際には手袋を着用します。
- 万一のため、予備の刈刃、工具等も作業現場に携帯します。
- 刈刃を岩、石、切株等障害物に接触させると作業者側に跳ね返され刈刃と接触する恐れがあるので、刈刃を無理に振り回したり、地面に食い込ませたりしません。また、刈払機で樹木の枝を伐採するのも危険です。
《ヒヤリ、事故》
- 田植前の畦畔を草刈中に、刈刃(8枚刃)が割れて飛び、足にぶつかった。
- 草刈作業終了後、点検したら、刃の一部が欠けてなくなっていた。
- 休日に庭の周りを草刈りしていたら、刃が手裏剣のように飛んでいった。
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【ポイント3】 刈払機の飛散物防護カバーは付いていますか? |
《なぜ》
- 刈払機の飛散物防護カバーは、作業者の方へ飛散物が飛ばないようにするためのものです。作業しにくいとカバーを外さずに、必ず正しい位置に装着して安全に作業しましょう
- 作業方法を工夫すれば巻き付かず、能率も差がありません。
- 飛散物防護カバーを装着し、安全に作業しましょう。
《対策ポイント》
- 刈刃の飛散物防護カバーを、決まった位置に取り付けて使用します。後ろへずらしたり、取り外したりするのは危険です。
- 刈刃の飛散物防護カバーが破損した場合には、新品に交換します。
- 刈刃への巻き付き、詰まりは、必ずエンジンを停止させ、刈刃が止まったのを確認してから取り除きます。
飛散物防護カバーを装着し、安全に作業しましょう。
《追加のヒント》
- 移動時には、エンジンを停止させ、刈刃カバーを装着します。手袋、安全靴、保護メガネ又はフェイスシールド、イヤーマフ、すね当て、その他の保護具を着用します。
- 草丈が高い場合には、上下2段に分けて刈り取るのも有効です。
- 作業前に、木の枝、空き缶、石、針金等を取り除きます。
《ヒヤリ、事故》
- 刈取り中、刃が石垣へ当たり、石の破片が飛んで足に当たった。
- 自宅近くの田んぼのあぜで草刈り作業中、右目に石が飛び込んできた。翌日になっても痛みが引かないため病院へ行った。
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【ポイント4】 刈払作業の前に、空き缶等を片付け |
《なぜ》
- 草むらの中に空き缶等があると、飛んできてケガをすることがあります。
- あらかじめ、異物を取り除いてから作業しましょう。
《対策ポイント》
刈払い作業の前に、
- 木の枝、空き缶、石等を取り除きます。
- 刈刃に巻き付きそうな、テープ、針金等も取り除きます。
- 測量杭等除去できないものへ目印を付けます。
作業前に、草むらの木の枝、空き缶、石等を取り除きます。
《追加のヒント》
- 刈刃の飛散物防護カバーを、後ろへずらしたり、取り外すのは危険です。
- 手袋、安全靴、保護メガネ又はフェイスシールド、イヤーマフ、すね当て、その他の保護具を着用します。
- 飛散した石等が、周囲の車、人に当たることがあります。相手との距離を充分とり(15m以上)、作業方向にも配慮しながら作業します。
- 刈刃をヒザより高く持ち上げると、顔面に飛散物が衝突する可能性が高くなります。刈刃をヒザより下げて作業します。
- 草丈が高い場合には、上下2段に刈り取るのも有効です。
- 木の枝を切ると刈刃が跳ね返される危険性があります。また、ツルを切ると刈刃に巻き付きトラブルを起こす危険性があります。事前にノコギリや鎌で切り取ります。
《ヒヤリ、事故》
- 草刈作業中、空き缶が刃に接触して飛散し足にぶつかった。1週間痛みで動けなかった。
- 作業中、道端に落ちていた鉄片が飛んできて、すねに当たりケガをした。
- 草刈中に、ジュースのビンが飛んできた。
- 田んぼの畦畔で草刈をしている時、刈払機に当たった枝が目に飛び跳ねてケガをした。
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【ポイント5】 刈払機のエンジン始動は刃を浮かせて |
《なぜ》
- 刈払機は、遠心クラッチのためエンジンの回転が高くなると刃が自然に回り始めます。
- 急に刃が回り出すと刈払機が飛び跳ね危険です。
《対策ポイント》
- 刈払機のサオの下に角材やスタンドを当て、刃を地面から浮かせてからエンジン始動します。
- 固定式スロットルの場合は必ず事前にスロットルを下げます。
払機の刃を地面から浮かせてエンジン始動します。
《追加のヒント》
- 火災の恐れがあるので、給油場所から3m以上離れてエンジンを始動します。
- リコイルスターターを引く際には周囲にぶつからないか確認します。
- 感電の恐れがあるので、プラグキャップや高圧コードに触れないようにします。
- 刈払機を担いで移動する時には、作業者が振り向いて周囲の人を傷つけることがあります。エンジンを停止し、刈刃へカバーを装着します。
《ヒヤリ、事故》
- 納屋で刈払機の点検中、エンジンをかけたら刃先が飛跳ね、足を切った。
- 夫が刈払機のエンジンをかけようとしたところ、意図しないタイミングでエンジンがかかり、後方にいた妻は刃で右足ふくらはぎを負傷した。
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【ポイント6】 刈払機が木に当たらないように |
《なぜ》
- カタログの中には、刈払機で細い木を切ることができる説明があるものがあります。しかし、刃の当て方によっては刈払機が跳ね返されたり、木が自分の方に倒れてくることがあります。
《対策ポイント》
- 一般的な刈払機は、刈刃が反時計回りに回転します。そのため右側で刈ると作業者側に跳ね返されて(キックバック現象)、刈刃と接触する恐れがあります。必ず左側で刈り払います。
- 刈刃を岩、石、切株等障害物に接触させると作業者側に跳ね返される恐れがあります。刈刃を木へ押し当てたり、地面に食い込ませないように注意します。
- 刈刃を膝より高く持ち上げて使用すると飛散物が顔面に飛んでくることがあります。膝より低くして使用します。
刈刃を立木等に接触させると作業者側に跳ね返される恐れがあります。
《追加のヒント》
- 跳ね返されるのを最小限にするため、肩掛けバンドに接続して使用します。
- 障害物に接触させた場合は刈刃が損傷していることがあるので、必ず点検します。
《ヒヤリ、事故》
- 草刈り中に潅木を切った時、刈払機が思わぬ方向に振り回された。周りに人がいなくてほっとした。
- 刈り払い中、不用意に右へ振ったら刃が木の幹に当たり、反動で足元に刃が向かって来た。
- 竹薮の間引きのため刈払機を使っていた。大きな竹だったので二度切りをした。根元の部分を切っている時に上部が顔にあたった。
- 草刈り中、刃が土手に当たり跳ね返り左足に当たった。
- 刈払機の肩掛バンドを外して作業していた。刈刃が地面へ触れ足元で跳ね返されびっくりした。
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【ポイント7】 傾斜地では足場を確認 |
《なぜ》
- 傾斜地は、足元が滑りやすく、崩れることもあります。傾斜地で転倒し、刈刃に触れてケガをする事故も多発しています。一歩ずつ足場を確認しながら作業しましょう。
- 高低差のあるけい畔、水路、堤防等の法面は、傾斜地が多く特に注意が必要です。
《対策ポイント》
- 滑り止め付きの靴を履き、転倒しないように足場を確認しながら作業します。
- 傾斜地では、足場を確保しながら等高線方向に作業します。
- 複数で作業を行う際は、15m以上の間隔を置きながら作業します。傾斜地では、傾斜の上下位置での作業は危険です。
刈刃は確実に固定します。刈刃に異常がある場合には新品と交換します。
《追加のヒント》
- 非常時に肩掛けベルトから機械をすぐ切り離せるように練習しておきます。
- 刈刃をヒザより高く持ち上げると、飛散物が顔面に当たる可能性が高くなります。刈刃をヒザより下げて作業します。
《ヒヤリ、事故》
- 急傾斜法面を草刈り中、足がすべって転倒した。
- 傾斜地の畑で草刈り中、肩に掛けたまま、滑り落ちた。
- 畦畔の草刈りで、道路側から下向きに刈っていた。足元近くを刈る時、右足の指を切った。
- 笹、小木の刈払中に足を取られ、滑って転倒した。その時顔をぶつけて負傷した。
- 高さ3m程の畑の法面で草刈り中、足を滑らせた際、刃が切り株に当たって、跳ね返り、右足の甲に刃が接触してケガをした。
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【ポイント8】 刈払い作業者への合図は注意しながら |
《なぜ》
- 刈払機は騒音が大きく、遠くから声をかけても作業者は気がつきません。しかし、後から近づいて肩をたたいて知らせると、作業者が振り向いて脚を切られるおそれがあります。
- あらかじめ安全な合図を決め、エンジンを止めてから話をしましょう。
《対策ポイント》
- 作業者の前方からは、鏡や笛で遠くから合図します。目安として15m以上の距離が安全と言われています。
- 後方からしか接近できないときは、長い棒のようなもので作業者に接近を知らせます。
- 作業者は、エンジンを停止させてから話をします。
安全な方法で合図し、エンジンを止めてから話をしましょう。
《追加のヒント》
- 草刈り中に、石が飛び跳ねて、通行中の自動車や住宅の窓ガラスを破損するトラブルも多発しています。問題ない方向に向けて刈り取るなど作業方法を工夫します。
- 複数で作業を行う際は、相互の位置状況を把握した上で安全を確保します。
《ヒヤリ、事故》
- 草刈り中、後方から接近する者に気付き不用意に振り向いて、刃を接触させそうになった。
- 共同で雑草刈取中、他者の刈払機に接触し、負傷した。
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【ポイント9】 振動障害に気を付けよう |
《なぜ》
- 刈払機などの振動工具を使用している時は作業に集中してしまい、振動を意識することがあまりないかもしれませんが、強い振動は障害を引き起し人体に有害な場合もあります。
《対策ポイント》
- 手腕に伝わる振動が小さい刈払機を選定し、防振手袋等の保護具を身につけましょう。
- 1回の連続作業は30分以内とし、その後5分以上の休止時間を取りましょう。
- 1日の使用時間は2時間以下となるよう、作業計画を立てましょう。
《追加のヒント》
- 振動の大きさは、振動工具の整備状況と密接に関係します。労働災害防止、振動障害予防のために、点検整備を励行しましょう。
- 振動障害の早期発見のために、健康診断を受けましょう。
- 平成21年7月に厚生労働省から振動障害予防対策指針が示され、「周波数補正振動加速度実効値の3軸合成値」及び「振動ばく露時間」等に基づく振動障害予防対策が推進されています。振動の大きさと作業時間を意識して作業を行いましょう。
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