1.GPSテレメトリ技術の活用を中心としたイノシシの行動及び生態学的特性の解明 |
i 革新的追跡システムを用いたイノシシの行動及び生態学的特性の解明 |
(1)最新GPSテレメトリ技術を活用したイノシシの革新的追跡システムの開発(264kb) |
最新の通信技術を活用し、イノシシの位置を正確に把握するGPS追跡システムを開発する。 |
(2)都市近郊中山間地域におけるイノシシの行動及び生態学的特性の解明(201kb) |
イノシシが周年生息し、定着して農作物を食害する都市近郊中山間地で、イノシシの行動を新規開発したGPSテレメトリで調べ、被害発生のメカニズムを明らかにする。 |
(3)積雪中山間地域におけるイノシシの行動及び生態学的特性(季節的生息地)の解明(223kb) |
積雪地域で近年イノシシの分布が拡大しつつある。この地域を対象に、イノシシの季節移動及び定着性を調査し、農作物被害発生の季節性を明らかにする。 |
ii 地域個体群の保護管理に関する諸特性の解明 |
(4)生息密度および個体数の推定法の開発(170kb) |
イノシシは直接観察が困難なことから、現時点で有効な個体数推定法は開発されていない。赤外線自動撮影カメラを用いるなどイノシシに適用できる個体数推定法を開発する。 |
(5)遺伝的指標を用いた個体群管理手法の開発(178kb) |
各地域で捕獲されるイノシシの遺伝子多型を明らかにすることで、遺伝子交流域を調べ、地域個体群を区別する。また、放獣が疑われているイノブタ及びブタについて、イノシシと区別できる核DNAの指標マーカーを開発する。 |
(6)捕獲個体からみた食性及び年齢構成の分析(166kb) |
捕獲個体の陪見、胃内容物及び下顎骨を分析し、栄養状態、食性及び年齢構成を解析して、農作物への依存様式、また、死亡率、平均寿命等の個体群パラメーターを明らかにする。 |
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2.被害防除対策の有効性検証システムの開発及び効果的な防除技術の開発
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(1)柵等の物理的防御技術によるイノシシの移動制限効果の検証(261kb) |
防護柵等の設置がイノシシの行動にどのような影響を及ぼすかを新たに開発したGPSテレメトリ等を利用して明らかにし、その有効性を科学的に確認・検証する。さらに、イノシシの行動圏内に柵等の障害物を実験的に設置し、行動制御技術の開発を行う。 |
(2)既存防護柵の設置法における地域的問題点の解明(191kb) |
既存防護柵の設置状況と被害発生状況を現地調査し、集落単位での問題点を抽出して、効果的な共同防護体制を提案する。 |
(3)被害防除に効果的な柵の開発(197kb) |
イノシシの運動能力については、現行の鳥獣害プロジェクトで明らかにされつつある。この成果を生かした効果的な柵の開発を行う。 |
(4)狩猟(駆除含)によるイノシシの行動変化と農地接近回避効果の検証(310kb) |
狩猟及び駆除地域でのイノシシの行動をGPSテレメトリ法で調査する。また、GPSテレメトリを装着したイノシシに対して狩猟行為を実験的に実施し、その影響を調べる。 |
(5)イノシシの行動を利用した捕獲技術の開発(229kb) |
捕獲効率が高くコストの安価なイノシシ専用の新しい中小型の捕獲器機を開発する。 |
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3.農林地を活用した獣害回避技術の開発
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(1)放牧や忌避作物などの農地利用による獣害抑制技術の開発(225kb) |
獣害回避効果が示唆される放牧的土地利用を、被害地域に牛を放牧し、イノシシの行動変化を分析して検証する。 |
(2)林地(雑木林含)の有効利用による獣害抑制技術の開発(399kb) |
獣害発生地域で、伐採等を含む新たな林地利用を行い、被害回避効果を検証する。 |
(3)集落形態・圃場整備等の地理情報システムを利用した被害情報等の生息地理学的解析(282kb) |
集落形態、農地農道の配置、地理的環境条件と被害状況の関連性を地理情報システムから解析し、被害を受けにくい要因を抽出する。それを基に、農村における獣害に強い土地利用デザインの構築への方向性を提示する。 |
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4.総合的獣害防止技術の開発と新技術の効率的な移転システムの構築
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(1)総合的獣害防止技術の開発 |
滋賀県及び島根県に設置する共同研究サイトから得られる成果を基に総合的獣害防止技術を開発する。 |
(2)新技術の効率的移転システムの構築 |
本研究の成果を発表会、研修会、会議やホームページなどで効率的かつ迅速に広報する。 |