プロジェクト研究:農林水産高度化事業イノシシ
  • 2003(H15)〜2006(H18)年度に実施した、先端技術を活用した農林水産研究高度化事業「イノシシの生態解明と農作物被害防止技術の開発」の成果を紹介するページです。
  • プロジェクト実施当時に作成・公開されていたウェブサイトを、2025年4月4日、鳥獣害つくばウェブサイト内に再配置して、改めて公開しました。(古いリンクや連絡先は削除しました)
  • 記載されている情報は、プロジェクト実施当時にまとめられたものです。
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イノシシの生態解明と農作物被害防止技術の開発
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I. このプロジェクトの目的


 野生鳥獣による農作物の被害問題が深刻化し、中でもイノシシによる被害が甚大である。全国の獣害被害額は、平成16年度統計では127億円に達し、約40%がイノシシ害である。捕獲など様々なイノシシ被害対策が講じられているが、十分な効果が見られず、被害地域が広域化している。イノシシ害の増大は営農意欲の減退と耕作放棄につながり、さらに被害を増加させる。中山間地域の過疎化の一因でもあり、イノシシの生態及び行動特性を踏まえた効果的な被害対策が急務である。また、「特定鳥獣保護管理計画」という新たな制度を導入した「鳥獣の保護と狩猟の適正化に関する法律」の成立により、野生鳥獣の保護と両立する総合的な鳥獣害防除技術の開発が緊急に求められている。

 近年、GPS及び通信技術が発達したことから、イノシシの位置を正確に把握する自動追跡システムの開発が可能となりつつある。そこで、このシステムを開発実用化し、動物の生態や行動特性の解明を飛躍的に進め、防護柵の設置や狩猟・駆除などによるイノシシの行動変化を評価して、効果的な農作物被害防除法の開発を目指す。また、近年整備されつつある地理的情報システム(GIS)を用いてイノシシによる被害発生動態を解析する。

 本研究では、
1.GPSテレメトリ技術の活用を中心としたイノシシの行動及び生態学的特性の解明
2.被害防除対策の有効性検証システムの開発及び効果的な防除技術の開発
3.獣害抑制に効果的な土地利用モデルの構築
4.総合的獣害防止技術の開発と新技術の効率的な移転システムの構築

により、地域に対応した効果的な防除技術を開発することを目標とする。

 その結果
1.獣害発生の初期段階における総合的な対策の立案に資する
2.農業と環境との共生に向けた効果的な野生動物対策が加速される

ことが期待される。