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バイオ燃料変換技術研究開発

農研機構
バイオマス研究センター
食品総合研究所

お役立ち(Q&A)


Q

バイオ燃料を作る工程で廃棄物は出ないのですか?


A

用いるバイオマスの種類に関わらず廃棄物は生じますが、それらを有効利用することも可能です。例えば、木質などからバイオエタノールを作る過程で生じるリグニンなどの廃棄物は発電用の燃料などに、 バイオマスの熱分解による燃料ガス生産で生じる廃熱は、飼料の乾燥などに有効利用されています。
実際にバイオ燃料工場を稼働する時には、廃棄物処理工程は、コスト面のみならずエネルギー効率や環境負荷の面でも極めて重要となります。例えば、発酵後の10%エタノールを蒸留する場合には、回収されるエタノールの約9倍量の発酵廃水が副産物として発生し、その処理技術開発が課題となります。水を蒸発すれば減量化できますが、蒸発のための熱エネルギーを上手に確保する必要があります。廃液を圃場散布する場合にも、農産物や環境生態系への影響を検討する必要があります。また、水分含量が高い固形分を燃料とする場合についても、燃焼時の回収エネルギーと水分蒸発のためのエネルギーの両方を考慮する必要があります。