北海道から九州まで広い地域で発生する斑点性の糸状菌病。初め褐色の小さな斑点が現れ、徐々に広がって淡褐色〜赤褐色、紡錘形〜楕円形病斑になり、内部からにぶい黄色またはわら色に色あせていく。病斑は長さ1〜2cmまで広がり、葉枯症状となる。古くなった病斑上には褐色の小粒が現れることがあるが、これは病原菌の柄子殻である。病原菌の寄生性等についてはまだあまり調べられていない。 |
北海道で発生する糸状菌病。葉に楕円形から紡錘形、大きさ2-3×0.5-1mmの斑点を形成する。病斑は初め紫褐色であるが、後に中央部が灰色に枯れ、ここに白色綿毛状の菌糸を生じる。病斑表面に形成された分生胞子が飛散して、まん延する。 |
暖地での発生が多く、葉に大型の斑点を生じる糸状菌病。初めは紡錘形、銅色の小斑点を葉に生じるが、やがて葉を横切る大きな病斑となり、銅色の不規則な豹紋状となる。後に病斑が融合して葉枯を引き起こす。病原菌はソルガムなどの菌と同種だが、寄生性は若干異なるとされる。 |
2007年9月、栃木県の温室内で発生したが、自然病徴は未確認である。病斑は短い紡錘形で、灰白色、周縁部は褐色となることが多い。大きさは長さ2-5mm程度である。病原菌はオーチャードグラスの他、ライグラス、ライムギ、エンバク等にも病原性を示すので、ライグラスいもち病菌と同一の菌系と考えられる。 |
冷涼地で発生し、採種栽培で問題になる糸状菌病。葉、葉鞘、稈、枝梗に発生し、病斑内部は灰白色、周縁部は褐色の細い縁状となり、長さ1ー2mm程度の角斑となる。病斑は葉脈で区切られ、境界のはっきりした明瞭なものとなる。病斑上に形成される柄子殻内の胞子が風雨で飛散してまん延する。 |
2004〜2005年にかけて北海道、岩手県、宮城県、福島県、栃木県で発生した新病害。病徴は黄∼橙黄色の夏胞子堆を葉脈に沿って縞状に生じる。病原菌の中間宿主は不明である。 |
さび病の一つで、晩春から初夏にかけて多発することがある。葉、葉鞘および稈の表面に赤褐色、楕円形の腫れ物状の病斑を形成する。病斑は成熟すると表面が破れて夏胞子を飛散させる。冬胞子堆は葉では裏に生じることが多く、紫褐色、短線状の膨らみとなる。病原菌の中間宿主は日本では不明だが、海外では銹胞子世代がキンポウゲ属(Ranunculus)植物上で発見されている。 |