イネの変化の様子を知る


現在の野生イネと栽培イネを比較すると、草丈が小さくなった代わりに穂が大きくなり、お米も野生イネは色が着いているのに対し、栽培イネでは白米が普通。そして種(お米)が熟した時、野生イネは、種が自然に地面に落ちるのに対し、栽培イネは落下しません(脱粒性の変化)。
このようなイネの性質の変化について、いろいろな研究がされていますが、まだはっきりしていない事がたくさんあります。しかし、考古学で知られていた以上に古いイネの歴史がわかったのは、イネゲノム研究の大きな成果。インディカ種にだけ残された優れた性質をジャポニカ種に導入するなど、これから開発する品種に大きなヒントを与えてくれそうです。

失ってしまった性質をもう一度
野生種の時代から進んでいたイネの変化が、作物として育てられるようになってさらに進んで今のイネになっている。イネゲノムの研究を通じて、その過程で失ってしまった役に立つ性質を、もう一度利用することができるかもしれないんだ。
