動物科学研究領域

動物生産生理機能研究ユニット


トピック1
ウシの人工授精効率向上に貢献へ
矢印 2014年3月3日のプレスリリース
トピック2
生殖を操るリズムを生み出す中枢メカニズムを解明
トピック 2

生殖を操るリズムを生み出す中枢メカニズムを解明
~動物の繁殖向上と人の不妊治療に向けた大きな第一歩~

 私たちは、ヤギを実験モデルとし、脳の視床下部と呼ばれる部位にあるキスペプチン神経細胞が、生殖のペースメーカーとして卵巣や精巣の働きを制御する神経活動のリズムを生み出していることを明らかにしました。この知見は、家畜の生産性向上技術の開発や人の不妊症対策などに大きく貢献していくと期待されます。
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    1.性腺活動調節のメカニズム

    性腺(卵巣や精巣)の活動を調節する脳の指令は、視床下部から分泌される「GnRH」というホルモンを介して伝えられています。GnRHの分泌は、数十分から数時間のパルス状のリズムを持っていて、このリズムの変化により性腺機能が制御されています。

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    2.どこでリズムが作られるのか?

    私たちはヤギを用いた実験から、視床下部に存在するキスペプチン神経細胞で、GnRH分泌のリズムを指令する周期的な神経活動の上昇が作り出されていることを見いだしました。

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    3.どうやってリズムが作られるのか?

    キスペプチン神経細胞では、活動を上昇させるニューロキニンBと、上昇した活動を低下させるダイノルフィンの相互作用により神経活動のリズムが生み出され、その情報がキスペプチンによりGnRH神経系に伝えられているものと考えられます。

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    4.これからの展望

    キスペプチン神経細胞は、生体内外の様々な環境情報を統合し、その総和を生殖を調節するリズムとして出力する中枢と考えられます。この研究で得られた基盤的知見は、家畜の生産性向上技術の開発や、人の不妊症対策に貢献するものと期待されます。

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