
昆虫科学研究領域
加害・耐虫機構研究ユニット
- トピック1
- トビイロウンカに幅広い抵抗性を有するイネの作出に弾み
2014年10月29日のプレスリリース
平成26年度の主な研究成果
- トピック 2
- シュウ酸カルシウム針状結晶とプロテアーゼとの劇的な相乗的殺虫効果を発見
2014年5月19日のプレスリリース
平成26年度の主な研究成果
- トピック 3
- トビイロウンカの遺伝地図の作製に成功
2013年2月28日のプレスリリース
平成24年度の主な研究成果
- トピック 4
- 植物の乳液:植物を昆虫から守る耐虫性タンパク質・2次代謝物質の宝庫
トピック 4 |
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植物の乳液:植物を昆虫から守る耐虫性タンパク質・2次代謝物質の宝庫 |
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植物の葉・茎・実などを傷つけた時に傷口から出てくる白い液体のことを「乳液」といいます。世界で3万種を越える植物が乳液を分泌しますが、その役割は多くの場合不明でした。私たちは、植物の乳液に多様な耐虫性タンパク質や2次代謝物質が含まれ、乳液が昆虫の食害から植物を守っていることを明らかにしました。 実は、カイコのエサであるクワの葉の乳液にも耐虫性物質が含まれますが、カイコには効きません。カイコはクワの防御を打破して、クワを食べていたのです。 |
![]() パパイアやハマイヌビワ(野生イチジク) の葉は、傷口からタンパク質分解酵素を多量に含む「乳液」を分泌します。パパイア乳液には「パパイン」、ハマイヌビワ乳液には「フィシン」というタンパク質分解酵素が含まれます。 | ![]() 乳液中のタンパク質分解酵素が、昆虫に対し毒性を持つ「耐虫性タンパク質」であることがわかりました。 |
![]() クワの葉はカイコ以外の昆虫には毒性を持ちますが、その原因はクワの乳液にありました。一方、カイコは乳液の有無に関わらず、クワの葉を食べて成長することができます。 | ![]() クワ乳液には、低濃度で昆虫に毒性を示す「糖類似アルカロイド」や「耐虫性タンパク質」が含まれますが、いずれの物質もカイコに対しては毒性を示しません。 |