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お知らせ 概要 背景 研究手法 研究成果 今後の展開、用語説明 図1、図2 図3、図4

研究手法

(1)突然変異体の選抜と原因遺伝子の同定
  農業生物資源研究所で開発された、イネの細胞培養を介した突然変異体の誘導、およびそれらを用いた遺伝子同定法を用いることにより、従来よりも短時間で遺伝子機能を解析することが可能となりました。この突然変異は、イネに内在するレトロトランスポゾン(Tos17)と呼ばれる「動く遺伝子」の転移が培養により活性化され、転移した先の遺伝子を破壊することで誘発されます。
  生殖に特異的に機能する遺伝子の突然変異は、種子稔性が低下します。そこで、突然変異系統の中から、種子稔性が低下するもののみを選抜しました。さらに顕微鏡観察により、生殖細胞の発生過程が異常な植物体を選抜する過程で、本研究のMEL1遺伝子が破壊された突然変異体を同定することに成功しました。遺伝子の単離にはTos17配列を利用しました。

(2)突然変異体の生殖器官の組織学的観察
  MEL1蛋白質合成の鋳型となるRNA(mRNA)が発現する場所を特定するため、mRNAをラベルして、組織切片(本研究ではイネの花の切片)に貼り付ける方法(in situ ハイブリダイゼーション法)を用いました。対象とする遺伝子のmRNAが蓄積している細胞は、青色に染まって検出されます。また、電子顕微鏡などにより、突然変異体の生殖細胞の内部構造の異常をつぶさに観察しました。


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