平成20年度 研究成果報告
資源作物(ホールプラント)の分画処理技術の検討及び最適化
食品総合研究所 糖質素材ユニット
研究紹介
稲わら(Leafstar: 稈)濃度別並行複発酵
酵母:Saccaromyces cerevisiae
(初期濃度:2 O.D.600nm)
使用酵素製剤
α-amylase : Liquozyme
amlyoglucosidase : Spirizyme
cellulase/hemicellulase : Celluclast 1.5,
Novozyme 188, Ultraflo L
稲わらリーフスターの稈部には易分解性糖質(澱粉、Glc、Suc、Fur及びβ-1,3-1,4-glucan)が乾燥重量の53%を占めている。この稈部を利用することで、化学・物理・生物学前処理を行わずに経済性の取れるエタノール濃度(5%以上)を得ることに成功した。20、30、40%濃度(w/w、稈部(g)/水(g))での各酵素と酵母を用いて並行複発酵を行った結果、酵素の選択によりいずれもエタノール濃度10%(w/v)前後の発酵が可能であり、窒素源の添加はエタノール発酵率を上昇させた。各濃度でエタノール変化率は20%濃度で一番高く稈部のセルロースも含む全グルカンの87%をエタノールに変換することが可能であった。また、30%以上の濃度ではその変化率が低くエタノール、Glc、稲わらの水分活性などが発行を阻害していると考えられた。