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バイオ燃料変換技術研究開発

農研機構
バイオマス研究センター
食品総合研究所

平成20年度 研究成果報告

稲わらの希硫酸、アンモニア、水酸化カルシウム前処理による糖化反応までのマテリアルフロー

(独)農研機構 食品総合研究所 糖質素材ユニット

区切り線

研究紹介

   
      
[前処理液] [糖化液]
[H2SO4] [NH3 [H2SO4] [NH4] [Ca(OH)2]
グルコース (グルカン換算) 4.6 0.5     14.1 19.3 18.1
キシロース (キシラン換算) 11.2 0.7     0.8 6.6 5.9
[前処理]:稲わら1g/20ml
・2%H2SO4、オートクレーブ(121℃)、60分
・5%NH3、室温、1週間
・10%Ca(OH)2、オートクレーブ(121℃)、60分
前処理液
前処理不溶物
酵素液添加 糖化 糖化液
糖化不溶物
稲わら 前処理
[稲わら組成] [前処理不溶物組成]   [糖化不溶物組成]
    [H2SO4] [NH4] [Ca(OH)2]   [H2SO4] [NH4] [Ca(OH)2]
グルカン 31.5 26.2 29.9 29.6   10.7 11.2 9.5
キシラン 14.5 2.7 12.9 12.0   1.2 5.1 3.0
リグニン 19.2 14.6 8.5 13.1   13.0 7.2 7.9
灰分 20.2 14.8 8.8 17.0   13.8 8.6 14.9
その他 14.6 6.0 5.4 5.4   5.8 3.4 6.8
  • 2% H2SO4前処理では、一部のグルカンがグルコースとして、ほぼ全量のキシランがキシロースとして前処理液に溶出。
     殆どのリグニンおよび灰分は前処理後不溶物に残存。糖化率はグルカン 53.8%、キシラン 36.4%。
  • 5% NH3前処理液では、約半分のリグニンおよび灰分が前処理後不溶物に残存。糖化率はグルカン 64.5%、キシラン 51.2%。
  • 10% Ca(OH)2前処理では、リグニンの一部およびのほぼ全量グルカン、キシラン、灰分のほぼ全量が前処理後不溶物に残存。
    糖化率はグルカン61.1%、キシラン 49.2%。