平成21年度 研究成果報告
木質バイオマスの効率的輸送保管のための減容化技術の開発
(独)森林総合研究所
概要
破砕による「かさ密度」の変化

トラック荷台の容積とかさ密度の関係から、端材やチップは荷台容積に関わらずほぼ一定のかさ密度であったが、枝条のみ、枝条・端材混在では
荷台容積が10m3以下では、かさ密度が低下する傾向が見られた。枝条は固体により長さや形状が大きく異なり、荷台サイズが小さいほど空隙が生じやすい。
またチップとの比較では、枝条は破砕することにより積載量は増加するが、端材は破砕しない方が積載量は大きく、エタノール原料として有望と考えられる端材は原形のまま輸送したほうが有利である。
輸送距離別のトラック輸送生産性

林地残材のトラック積込・荷降時間及び道路幅員とトラック走行速度の関係からトラック輸送の生産性を算定した。積載対象として端材のみ、枝条のみ、枝条・端材混在、フレコン(チップ)
を比較した結果、端材のみの場合は積み込み作業に時間を要するもののかさ密度との関係から生産性は高く、輸送距離が長くなるに従い有利となる。(図は4t車クラス、道路幅員は3.0〜5.5mの場合)
結論

積載物、荷台容積、運搬距離、道路幅員、走行経路の組み合わせによる生産性が算定でき、条件に応じた最適なトラック輸送方法を示すことが可能となる。