平成21年度 研究成果報告
A250 草本系原料の糖化技術総合研究
(独)農研機構 食品総合研究所
トリコデルマ・リーセイ変異株を用いたセルラーゼの効率的生産システムの構築

図. グルコースおよびセロビオース混合液の連続添加による糖化酵素生産量の経日変化(変異株M3-1)
Strain | ATCC66589 | M2-1 | M3-1 | |
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C source | cellulose | glicose + cellulose (8:1; continuous feeding) | ||
FP Degrading Act. (FPU/L) | 33,700 | 13,100±1,580 | 20,100±1,380 | 19,700±4,830 |
Production Efficiency (FPU/g-C source) | 337 | 134±16.1 | 209±14.3 | 201±49.2 |
Production rate (FPU/L・hr) | 176 | 68.4 | 105 | 103 |
* C source used: ca. 300g; Cultivation: 8days |
糸状菌 Trichoderma reesei ATCC66589株を親株とし、糖化酵素(セルラーゼ)生産能の向上した変異株を取得した。取得した変異株を用い、 グルコースを主原料とするセルラーゼ生産系の構築を行った。
グルコースおよびセロビオースの混合液を連続的に添加しながら変異株の培養を行ったところ、セルラーゼの安定した生産が認められた(図)。 また、本培養法による糖化酵素生産効率は、セルロースを原料とした時と比較して、6割程度であった(表)。
今後、培養条件の最適化などを行うことで、安価な原料を用いた、より効率的なセルラーゼ生産が期待される。