昆虫科学研究領域
昆虫微生物機能研究ユニット
- トピック1
- 精子に運ばれて子に伝わる共生細菌
- 研究成果の紹介
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BT剤の新しい抵抗性遺伝子を発見 | |
昆虫病原細菌 Bacillus thuringiensis 由来の殺虫剤(BT剤)は、人畜に無害な微生物農薬として害虫防除に使用されてきました。しかし近年、野菜類の害虫であるコナガでBT剤抵抗性を持つものが出現しました。そこで、ゲノム情報を利用できるカイコをモデルとして用いて抵抗性の機構解明に取り組み、新しいタイプのBT剤の抵抗性遺伝子を発見しました。 |
- BT剤の殺虫性毒素「Cry1Ab」の走査電子顕微鏡写真
- 殺虫性毒素に対するカイコ品種の感受性比較
- 01号の殺虫性毒素の抵抗性に関わる遺伝子は、第15染色体上にあることがわかりました。
DNAマーカーを使って遺伝子のある領域を絞り込み、抵抗性遺伝子の候補を遺伝子A、B、Cの3個に限定しました。
- 01号の殺虫性毒素の抵抗性に関わる遺伝子は、第15染色体上にあることがわかりました。
- 感受性カイコ由来の遺伝子Bを抵抗性カイコに導入し働かせたところ、抵抗性カイコが毒素感受性になりました。この結果から、遺伝子Bが毒素(=BT剤)に対する抵抗性遺伝子であることがわかりました。遺伝子Bは、既知のBT抵抗性遺伝子とは異なる、新しいタイプの抵抗性遺伝子でした。