野菜花き研究部門

栽培生理ユニット

キクの品種の中には、適温での栽培では美しく発色するのに、高温では色が薄くなってしまうものがあります。

キクなどの主要花きを対象として、生長や開花に関わる生理機構を解析するとともに、光環境制御や温湿度の管理などにより、切り花を安定的に生産する技術を開発しています。また、切り花の日持ち性、花色などの品質を高める栽培条件を明らかにしています。取り組んでいるテーマは次の4つです。
(1)温度等環境要因がキク等の開花に及ぼす影響の解析
キクなどの重要な花き品目において、夏の高温が原因で生じる開花不良が生産上の問題となっています。この問題の解決を目指して、温度などの環境要因が花を咲かせる生理的機構に及ぼす影響を、分子生物学などの手法で明らかにしようとしています。
(2)主要花きの花色発色不良を回避する生産技術の開発
いくつかの花き品目では、栽培環境が高温になると花の発色が不良となり、本来の観賞価値が得られないことが問題となっています。安定した品質をもった周年生産を可能にするために、この問題を防ぐ栽培技術を開発します。
(3)生理機構に基づいた高日持ち性等高品質花き生産技術の開発
国内生産切り花の競争力向上が求められる中、日持ち性など消費者に渡った後に評価される品質が重視されています。そこで、栽培環境条件と、作物の水分状態や光合成などの生理的状態との関係を明らかにし、日持ち性などの品質を向上させる栽培環境の制御技術を開発しています。
(4)国際化に対応したキク類の効率安定生産の構築
キク類の輸入品に対する競争力の強化と国産シェアの回復を目指して、市場や卸・小売り業者と連携し、需要に合った切り花の品質・規格を提案するとともに、これに対応した効率的な生産方法の組み立てを行っています。


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