果樹研究所

一押し旬の話題

2011年7月 1日

モモ「あかつき」とアンズ(アプリコット)

モモ「あかつき」

おいしいモモが出回り始めました。今回紹介します「あかつき」はモモを代表する品種で、福島県を中心に栽培され、2008年の統計では、全国で1,660haとなり、「白鳳」の1,540ha、「川中島白桃」の1,250haを抜いて第1位の品種となっています。

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あかつきの実

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「あかつき」の花は5枚の花弁を付けます

「あかつき」は1952年に、果樹研究所で「白桃」に「白鳳」を交配し、1979年に命名登録した品種です。

中生の白肉モモ品種で、扁円形、果皮は地色が白色で、果面ほぼ全体に赤い着色が見られ、きれいな外観をしています。果汁は多く、果肉はとけるような柔らかさがあり、樹上や収穫後の日持ち性は良好です。糖度は12~14%で、酸味は少なく、品質は現在の主要品種の中でもトップクラスです。「あかつき」は果皮の色が紅く、美しいことからこの名前がつけられました。姿も賞味下さい。

モモには食物繊維やカリウムが多く、便秘改善、美容効果、高血圧予防、動脈硬化予防などが期待されますので、この夏の間にたっぷり召し上がり下さい。
かたい状態のまま冷蔵庫などで冷やすと甘みが出ず、また冷やしすぎも甘みが落ちますので、軽く指を当てて、やわらかみを感じた状態のモモを、食べる2~3時間前に冷蔵庫へ入れてから食べるのが最もおいしい食べ方です。

生で食べられるアンズ(アプリコット) -「サニーコット」と「ニコニコット」-

併せて、最近育成したアンズ(アプリコット)の品種を2つ紹介します。

アンズはわが国で古くから栽培されてい」る果樹の一つですが、在来品種は甘味が少なく、酸味は強く、生では食べられず、主にシロップ漬けや干し物などの加工に用いられてきました。海外から導入された品種は、果実の酸味が少なく、生で食べられますが、結実性や裂果などの問題があり、わが国では安定した生産が困難です。
そこで、アンズの生産・消費拡大を図るため、品質が優良で栽培性の優れた生食用アンズを育成しました。

サニーコット

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サニーコットの実

アンズ「サニーコット」は、1990年に「アンズ筑波5号」に「ハーコット」を交雑して育成した品種です。2009年に品種登録しました。大果で外観が優れ、糖度が高く、適度な酸味があり、生でおいしく食べられます。また、自家結実性といって自分の花粉で実をつけますので、他の果物のように2種類の木を植えなくても1本で実がなるため、家庭果樹としても楽しめる品種です。

果形は楕円形で、果実重は120g程度と大きく、果皮は橙黄色で外観が優れています。果肉は橙黄色、肉質は緻密で果汁は多く、糖度は12%程度、酸味はpH3.9前後で、従来の在来アンズ品種に比べて糖度が高く、適度な酸味を有し、生食用としての食味が優れています。

ニコニコット

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ニコニコットの実

また、もう1つのアンズ「ニコニコット」は、同じく1990年に「ライバル」に「アンズ筑波5号」を交雑して育成した品種で、2009年に品種登録されたものです。自家結実性を有し、収量が多いのが特徴です。糖度が高く、酸味が少なく、生食用として品質が優れています。

果実の収穫期はつくばで6月下旬です。果形は短楕円形で、果実重は90g前後、果皮は橙色です。果肉は橙色で、肉質は緻密で果汁はやや多く、糖度は約13%、酸味はpH4.3前後で、従来の在来アンズ品種に比べて糖度が高く、酸味が少ないことから生食用としての食味が優れています。

酸っぱいアンズが多い中で、生でおいしく食べられるアンズは、食べてみる価値があります。1本買ってきて、庭に植えておけば、花も実も楽しめます。お近くのホームセンターなどでお求めできます。

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