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海外出張支援で国際学会(アメリカ)へ行ってきました(2011年12月4-10日)

 児玉研究員(大気環境研究領域)が、海外出張支援を受けて2011年12月5日から9日までサンフランシスコで開催された2011年米国地球物理学連合秋大会(American Geographical Union 2011 fall meeting)に参加しました。


<児玉研究員の報告から>
 本学会は世界でおそらく最も規模の大きい学会であり、大会参加者は21000人を超えていたようだった。本年度の大会には18000本の論文が採択され、うち口頭発表は6000件、ポスター発表は12000件であった。学会の部門は多岐に渡り、宇宙から大気、海、陸上と様々な分野の研究発表が行われるために、どこでどの発表があるのかを学会が始まる前に準備するのが重要である。私は2件の口頭発表に関わった。発表後には多くの人からフィードバックをもらい、今後、論文を書くために有用な情報を得ることができた。また今回の学会参加の目的の一つであった、レーザー分光法の植物や土壌のガス交換への応用のための情報も学会中に得ることができた。発表は10分、質問タイム5分とかなり厳しく時間が区切られていたために発表の練習にはかなり時間をかけた。

 女性研究者に配慮した箇所はあまり見られなかったが、私が確認できただけで日本の大学や研究所からの女性研究者を含め、女性研究者による口頭発表は6件ほどあった。しかしながら、参加したセッションの内では、女性のコンビーナーをあまり見ることはなかった。
 また、ヨーロッパの研究者と女性研究者の優遇措置について話をしたが、EUでは随分前から女性研究者へのポジション優遇措置を行ってきたが、男性研究者にとっては不満が大きくなるばかりであったようだ。また優遇されてポジションを得たり、グラントを得た女性も、その理由がサイエンスで優れているのか、それとも単に女性であるという理由からであるのか、自分自身にもまた周りの人間にも不透明だということから女性の尊厳も失わせることになりかねない、という話をした。

 学会中、レーザー分光装置のメジャーなメーカーであるPicarro社の工場見学に参加した。Picarro社は世界中に安価なレーザー分光装置を売り出している会社で、場所はシリコンバレーにある。この会社が売り出している分光装置は世界中で売上を上げているものの、今回の学会中でも議論にあがっていたが、完成度が低く精度についてはかなり問題がある。このことについては、大学の研究者とも共同研究をしながら問題点を改善しつつ、良い方向に進化しているようであった。工場見学は楽しめるものであり、このような装置がどのように開発されていくのかを垣間見ることができた。

 夕飯やランチは同じセッションに参加した元同僚や共同研究者と同席して、アカデミックな議論だけではなく、それぞれの国における経済状況と研究者のポジションについて話すことができた。また、共同研究の可能性についても探ることができ、たまたまポスター会場で会った農環研の同僚に自分の共同研究者を紹介することもできた。

 この学会は毎年同じ場所・会場で開かれている。規模が大きい学会なので知り合いに出会うのは困難だと思われがちだが、部門ごとにポスター会場や口頭発表の会場が分かれているので、興味の一致するような研究者と出会うのは意外と容易である。様々な分野の世界中の研究者が集まる学会であるので、普段直接会ってなかなか連絡を取り合うことができない研究者に会って情報交換をするには絶好の機会である。またこの学会は多くの人が注目しているために、アップデートした研究内容を発表することも共同研究などに繋がる可能性がある。

 学会参加費が高いことや滞在にかなりの金額がかかるので、今回私が受けた旅費の援助を受けないとなかなか参加することができない学会である。しかしながら、この学会で発表することはインパクトも高く、投稿論文にする際のレビュワーになる可能性のある研究者が出席している可能性が高いという点でも参加する意義はある。

パネル展示の様子

パネル展示の様子

会場の様子

会場の様子

「つくば男・女(みんな)のつどい2011」に参加しました(2011年12月3日)

 去る12月3日(土)に、つくばカピオで開催された「つくば男・女のつどい2011 ―つながろう、ココロと心 未来に向かって―」にパネル団体として参加しました。このイベントは、つくば市が主催となり、つくば男女共同参画会議実行委員会と関連団体の協力を得て行われています。今回は、講師に精神科医でミュージシャンのきたやまおさむ氏を迎え、300名以上の市民の参加を得て盛大に行われました。
 きたやま氏の講演は、「心の葛藤を生きること」と題し、心の二面性、つまり表(意識、大人、建前)と裏(無意識、子ども、本音)、について、社会で暮らす中で両者の間では常に葛藤があり、「裏」を抑圧することはストレスであること、心を胃袋に例えれば、そのストレスを消化できているうちは問題ないが、消化できないほど貯まってしまうと、しばしば異常行動として表出し問題を起こすこと、がおもしろおかしい例を交え、分かりやすく語られました。
また、男女共同参画社会の考え方としては、人はだれでも心の中に男と女の両方の性を持って生まれるものの、思春期までにそのどちらかの性が選択され、他方は心の奥深いところに封印されていくというプロセスが紹介されました。そして、きたやま氏は、このことを踏まえて、男女共同参画社会の推進には、だれもが持っているはずの心の中の両性を橋渡しすることが第一歩になるのでは、と聴衆に語りかけました。
 このほか、ホワイエでは、アンサンブル・ジョアによる弦楽四重奏の響き渡る中で、市内の男女共同参画を推進する団体・機関による活動がパネル展示により紹介され、多くの市民が足を止めていました。

パネル展示の様子

パネル展示の様子

講師のきたやまおさむ氏

講師のきたやまおさむ氏

茨城県立水戸第二高等学校へ出前授業に行ってきました (2011年11月16日)

 茨城県立水戸第二高等学校では、生物生態機能研究領域の篠崎農環研特別研究員が、『役に立つ微生物みつけます~水戸二高卒業後、研究者を目指した道のり~』と題して出前授業を行いました。自身が研究者になった経緯や農環研での研究内容と同僚たちの仕事ぶり、研究と子育ての両立等について紹介しました。
 終了後に行ったアンケートでは、研究に対する興味が高まった、大学卒業から修士や博士などを経て研究者になる過程がよく分かった、研究者という職業に興味を持ったといった感想が寄せられ、このような情報発信の場を設けることの重要性を感じさせられました。

 出前授業では、研究者という職業に関心を持ってもらい、研究者を志望する女性が増えることを目指して、研究所の女性研究員が大学や高校を訪問して、自身の研究活動などを紹介しています。

実験の様子

実験の様子

会場の様子

会場の様子

女性研究者研究活動支援事業合同公開シンポジウムへ行ってきました(2011年11月1日-11月2日)

会場の様子

会場の様子

 11月1日、2日に筑波大学東京キャンパスで『女性研究者支援に向けた持続可能な取り組みの実現―「モデル的取組」から「研究とライフイベントの両立へ」―』と題した合同シンポジウムが開催され、農環研からは長谷部研究統括主幹をはじめ、3人が参加しました。
 このシンポジウムでは、事業に参加している日本全国の研究・教育機関から事業担当者が集まり、現在の問題点や効果のあった支援策、機関間の情報交換ネットワークの重要性などについて密度の高い話し合いが行われました。

<下村特別研究員(物質循環研究領域)の報告から>
・男女共同参画推進事業の運営
 採択機関の多くは、農環研と同じく運営委員会を上層部直下に設置し、トップダウン方式を採用していた。事業に対する上層部の理解は事業推進上非常に重要であり、機関の多くで大変な努力をされているようである。女性研究者と上層部とのランチミーティングや国際的視野などの導入は理解を得るために有効であり、さらに理解を得易くするためには文科省による抜本的な制度も必要ではないかという意見もあった。また、日本は政策・方針決定の場における女性の比率が低いという問題もある。独立行政法人や大学も例外なく女性役員の比率は低く、女性役員を増員するために補佐という役職を設けている機関もあった。また、上層部だけでなく組織全体に事業を認識・理解してもらうことについては、多くの課題が報告された。
 補助事業が終了した後の活動財源の確保については多くの機関で課題となっていた。財源が無くてもできることについて考案し、スリム化を図っている機関もあった。
・女性研究者の比率を上げる試み
 女性研究者の比率を上げるためには数値目標を設定し、それを明文化することは効果的との報告が多くの機関からあった。女性比率を上げるためにはインセンティブを必要とする場合が多く、その様々な試みが報告された。例えば北海道大学では女性教員を採用すると採用部局に人件費の半分の資金が3年間付与されるシステムを実施している。
 女性限定公募については、男性だけではなく女性からも問題視されることが多いが、採択機関の8割で採用されているようである。女性限定公募が優秀な人材の確保につながっているとの報告がいくつかの大学からあった。採用後の支援については、スタートアップ経費の支給や、メンターの配置、学内の競争的資金に女性枠を設けている大学もあった。次世代育成については、女子高校生向けのロールモデルによって女子学生の理系受験率が上がったとの報告があった。
・両立支援
 産休や、育休、育児中の支援対象者に対して実験補助者(事務を含む)を配置する制度は採択機関の多くで採用されているが、この支援制度は有効であるという報告が極めて多かった。短時間勤務を採用し、継続して仕事が続けられるようにしている機関や、在宅勤務を推進する機関もあった。また、任期付採用者の場合には育休期間分の任期延長措置をとっている機関が多かった。ベビーシッター派遣の支援体制を充実させている機関も多く、産総研では独自の経費で出張中のベビーシッター派遣や育児に対する特別休暇を設けていた。
 子どもの小学校入学に伴って、仕事と育児の両立に困難を感じる女性研究者は多く、学童保育の充実も期待されるところである。名古屋大学は学内で学童保育を行っており、近隣の小学校であれば子育てタクシーでお迎えがある。夜21:00まで利用可能で、夏休みだけなどの一時利用も可能であるため、教職員が大学近隣へ引越すこともあるようである。つくば市は研究学園都市であり、研究者が多く存在する地域である。研究者の両立支援は特に重要な地域であるため、各研究機関が協力して行政に呼びかけ、保育設備、特に病児保育や学童保育のさらなる充実を図ることは重要だと考えられる。
・男女共同参画事業の今後
 女性支援事業担当者の情報交換の場として機関間のネットワークがいくつか構築された。農環研も参加している産総研のダイバーシティ・サポート・オフィス(DSO)や、九州・沖縄アイランド女性研究者支援ネットワークQ-wea’s netなどである。これらは、これまでに蓄積された情報や問題の共有化につながると期待される。各機関においては、この支援事業中に作られた制度を持続していくために、組織内での規定化が必要との意見が聞かれた。また、女性研究者支援事業は男女共同参画への拡大が見られた。例えば、富山大学では男性教員の病気休暇補助も一緒に支援し、その支援事業を学内で規定化していく予定とのことである。行政については、今後も協力が非常に必要であり、特に補助金などの支援制度の持続を求める声が多数あった。また、研究支援事業を新たに設定する場合には、産休なども考慮して制度を作ってほしいとの要望も上げられた。

第9回男女共同参画学協会連絡会シンポジウムへ行ってきました(2011年10月31日)

パネルディスカッションの様子

パネルディスカッションの様子

男女共同参画学協会連絡会は、女性科学者の少ない自然科学系分野の学会や協会による連絡会で、現在68の学協会が加盟しています(オブザーバ参加含む)。これら学協会に所属する会員は約41万名、女性はそのうち約2万名となっています。今回、第9回目となるシンポジウムは、3月の大震災を受けて「命と健康」を基底テーマに据え、「今、社会が科学者に求めること―ソーシャル・ウィッシュ」のタイトルで、筑波大学において10月31日に開催されました。
 本連絡会の趣旨に賛同する農環研では、昨年に続いて男女共同参画推進委員会の代表を派遣し、女性研究者支援モデル育成事業の活動を紹介するポスター発表を行いました。また、一日を通して行われたプログラムにも参加して、社会が望む科学のあり方についての討論に耳を傾けました。

<篠崎特別研究員の報告から>
会津大学の奥平恭子先生による「3.11-女性科学者の視点から」というテーマのご講演が印象的でした。奥平先生は会津大学の企画運営室に所属し、震災前からサイエンスカフェなど各種イベントを開催されていたそうです。その経験を生かし、震災後は避難所等での話題提供を、ご自身の専門(宇宙科学・惑星実験科学)から、「はやぶさ」関連の話題など、一時日常を離れることができるような話題提供をして喜んで頂けたというお話しに感銘を受けました。他にも、楽しい話題で科学的な考え方を学べるような工夫をされているそうです。その一方で、これまで様々なイベントを行ってきた中で、科学者がグレーだと判断する事柄にも、市民の皆さんからは白黒を求められることがあり、それが科学的な判断であっても理解が難しいことから不信感につながりそうな場合もあった、というお話しがありました。普段からサイエンスカフェなどで交流を深めることにより、市民の皆さんと科学者との信頼関係を築いていくことが大切なのでは、というお話しが大変参考になりました。

海外出張支援で国際学会(アメリカ)へ行ってきました(2011年10月16-10月19日)

レオン特別研究員(農業環境インベントリーセンター)が、海外出張支援費で11月16日から11月19日までアメリカで開催された「2011 International Annual Meetings "Fundamental for Life's; Soil, Crops & Environmental Sciences」にに参加してきました。

<レオン特別研究員からの報告から>
 この大会は、米国作物学会、米国農学会と米国土壌学会に関係する研究者が集まる国際的に最も大きな集まりで、期間中に、シンポジウム、口頭発表やポスター発表を含む41の分科会でおよそ406のセッションが行われました。今回は、口頭発表を行うとともに、気候変動または土壌炭素と農地管理に関連するセッションや女性研究者の集まりに参加し、多くの情報収集を行ってきました。

・口頭発表
 「Factors Controlling Organic Amendment Application in Paddy Field in Japan」というタイトルで、日本では京都議定書の基準年(1990)以前から土壌炭素貯留量の変動を調査し、インベントリー作成に必要なデータを保有していること。インベントリー作成の際、たとえば、水田圃場においては、水田の利用形態、土壌タイプ、水田経営農家の家畜保有の有無、専業農家か兼業農家かで、グループ分けする必要があることを報告しました。発表に対して、定点調査データの取り扱いや地点の代表性に関しての質問や、日本における茎葉の処理方法や定点調査データについてコメントと質問をもらいました。
・気候変動または、土壌炭素と農地管理に関連するセッション
 学会期間中、33の気候変動に関するセッションが開催されました。
 Columbia UnivのHillel氏は、農業が気候変動の解決に貢献していく方法について考えないといけない時が来たと述べ、その方法として、農業活動による環境管理や炭素貯留の強化や気候変動に適応するための遺伝的改良を挙げていました。  また、農地管理が土壌炭素に与える影響や、農地管理が一酸化二窒素(N2O)排出に与える影響も注目されており、Duke univのEagle氏はN2O排出抑制により農家が利益を得ることができるよなシステムを構築すべきであると報告していました。
・WACSES(農学、作物、土壌と環境科学における女性)のワークショップ
 今回は、昼食をしながら同席した人と与えられたテーマについてディスカッションするものでした。本集会のリーダーはフロリダ大学のBalser氏で、テーマは、「自分を他の人にどのように説明するか」でした。ディスカッションの中で、ロシア人の女性研究者が「ロシアでは自分のことを良く思わないと他人は自分のことを良いと思ってくれない、と躾けられている」と言ったことや、アメリカ人の女性研究者が「自分の良い面を話すのは自慢ではなく、上司にどのような人間であるかを知ってもらうのに必要です。」と言ったことがとても印象的で、外国の女性の姿勢を学ぶことができとても刺激的でした。
・成果と今後
 本学会に参加して、気候変動または土壌炭素と農地管理について現在世界各国でどのような研究が行われているか、など多くの最新情報を収集することができました。また、口頭発表を行い、自分の研究を他の人に知ってもらうことができ、同じような研究をしている方とも情報交換をすることができ、現在わたしが関わっている事業についても様々な研究者と情報交換をすることができとても有意義でした。
 女性支援を通して、このようなすばらしい機会が与えられたことを心から感謝いたします。

WACSESワークショップの様子

WACSESワークショップの様子

学会会場(ポスター発表の様子)

学会会場(ポスター発表の様子)

第4回サイエンスカフェを開催しました(2011年10月16日)

 10月16日(日)にウィズガーデンつくば(イーアスつくば内)で、第4回サイエンスカフェ「農業が地球を温める!?―畑から出る温室効果ガス―」を開催しました。サイエンスカフェとは、専門家と一般の方々がコーヒーやお茶を飲みながら、科学について気軽に語り合うもので、今回は物質循環研究領域の秋山博子主任研究員が話題提供し、参加した23人の方と交流しました。

 秋山研究員には、地球温暖化に関する基本的な内容、農業分野から発生する温室効果ガスの現状、さらに農耕地から発生する温室効果ガスの発生メカニズムや削減方法の解説を、土壌から発生する二酸化炭素測定のデモを交えて行っていただきました。また、自身が「科学に興味を持ったきっかけ」や、現在行っている研究についても紹介していただきました。

 参加者は温暖化問題に関心が高く、最初から最後まで絶え間なく質問が出されました。聞きなれない言葉や分かりにくい概念が紹介されるとすかさず質問が出て、会場全体の理解が深まったり、話題の切れ目に出された質問により、「食料生産を維持しながら、温室効果ガス排出を削減する」という研究の目標やそれに対する話題提供者の思いが伝わるなど、気軽に語り合えるサイエンスカフェならではの会となりました。

デモンストレーション実験の様子

デモンストレーション実験の様子

会場の様子

会場の様子

海外出張支援で研究会(ウクライナ)へ行ってきました(2011年9月11-9月14日)

北本主任研究員(生物生態機能研究領域)、海外出張支援費で9月11日から9月14日までウクライナで開催された「ポストゲノム時代の新産業酵母に関する研究会」に参加してきました。

<北本主任研究員のコメント>
 この研究会は、酒醸造やパンに使われる酵母以外の産業用酵母に関するもので、複数の酵母のゲノム解析をした後の進展を報告しあうものでした。今回の学会参加の目的は、その研究アプローチ方法を学ぶとともに、農環研の生分解性プラスチックに関する研究成果と、日本での環境産業の現状と可能性を発信することでした。
 今回の研究会は5年ぶりに、オーガナイザーのシビルニー博士の呼びかけで開催され、研究会には21か国にわたる113名の参加者が出席しました。これは、互いに仲良くなり、十分な情報を得るためにちょうど良い規模でした。シビルニー博士は、分野全体を発展させるために、人を育て、協力し、アイディアを出したい、という姿勢が強く感じられ、とても居心地の良い研究会でした。
 私は生分解性プラスチック分解酵母の研究を口頭発表しましたが、大学や国立研究所の研究者たちだけでなく、民間会社からも反応がありました。世界市場は、私たちが想像している以上にオープンになってきていること、バイオテクノロジーは、市場に直結しているため、独創性が高く産業に有益な研究が、私たち1人ずつに求められていることを感じました。また、座長にも任命され、これらをきっかけに、参加者した多くの研究者と仲良くなりました。宿泊と会場が同じ場所だったので、研究発表の合間には、朝から晩まで、研究だけでなく互いの国の情勢や研究者のライフスタイルなどの話題で、毎回違う人と話をしました。
 ウクライナへ向かう機内で、現地のビジネスマンと話しましたが、ウクライナは資源があるものの、新しい製品を生み出す力が無いことを問題視しており、日本の技術開発力を高く評価していました。今回の海外出張から、私たちは世界のために研究をし、技術を作っていかなければならない、と感じました。

オーガナイザーのシビルニー博士(左端)と北本主任研究員(隣)

オーガナイザーのシビルニー博士(左端)と北本主任研究員(隣)

研究発表の様子

研究発表の様子

つくば3研究教育機関男女共同参画シンポジウム「多様性とそのマネジメント~つくばにおける男女共同参画共同宣言とこれから~」を開催しました。(2011年9月5日)

9月5日(月)午後、つくば国際会議場において、平成21年度から「女性研究者支援モデル育成事業」を行っているつくば地域の3機関(農研機構、筑波大学、農環研)の主催する表記のシンポジウムが開催されました。
 同シンポジウムには、つくば市内外から100名を超える参加があり、Joan.W.Bennett博士(米国Rutgers大学)の基調講演、有賀早苗教授(北海道大学副理事・女性研究者支援室長)の特別講演に耳を傾けました。プログラム後半では、主催3機関からそれぞれ特徴のある女性研究者の研究活動を支援するメニューが紹介され、続いて、2年前に「男女共同参画宣言」を謳った6研究教育機関の代表によるパネルディスカッションが行われました。パネルディスカッションでは、1)支援研究員の配置について、2)独法研究機関と大学との違いについて、3)地域に向けた取組について、の3つの具体的なテーマに関する意見交換が行われました。最後に、主催者から、つくば地域における研究教育機関どうしの緩い連携を「つくばモデル」として育てていくことが提案されて、閉会しました。

Joan.W.Bennett博士(左)と有賀早苗教授(右)

Joan.W.Bennett博士(左)と有賀早苗教授(右)

会場の様子

会場の様子

海外出張支援で国際学会(中国)へ行ってきました(2011年8月17-8月22日)

小柳特別研究員(生物多様性研究領域)が、海外出張支援費で8月17日から8月22日まで中国で開催された「第8回国際景観生態学会大会」に参加してきました。

<小柳特別研究員のコメント>
 国際学会では、各分野における最先端の研究に数多く触れることができます。今回の学会も例外ではありませんでした。特に欧米では、こうした最先端の研究の現場においても女性の活躍が目立っており、自分にとって大きな刺激になりました。また、中東や東南アジアなどからも少数ではありましたが、女性研究者が参加しており、彼らの母国の自然条件や社会的背景を反映した研究内容は印象的でした。
 今回、国際学会に参加し、このような経験を得ることができたのも、本制度による支援があったからこそです。来年度以降も、本支援制度を通して、若手の女性研究者に将来の研究の発展につながりうる豊かな経験の機会が提供されることを願っています。

景観生態学の父、Richard T. T. Formanの講演

景観生態学の父、Richard T. T. Formanの講演

学会会場(全体講演会場)

学会会場(全体講演会場)

海外出張支援で国際学会(中国)へ行ってきました(2011年7月30-8月1日)

星野主任研究員(生物生態機能研究領域)が、海外出張支援費で7月30日から8月1日まで中国で開催された「第1回国際菌学シンポジウム」に参加してきました。

<星野主任研究員のコメント>
 “Fungal Distribution and Diversity(糸状菌の分布と多様性)” のセッションに参加し、研究成果を発表しました。糸状菌生態研究に関し活発な議論がもたれ、セッションメンバーの数名とは、学会後もメールで連絡を取り、研究に関して情報交換しています。
 何名かの女性研究者とはワークライフバランスについて、話す機会を持つこともでき、得られるものの多い学会でした。今後の研究活動に生かしていきたいと考えています。

ロールモデル講演会「アメリカ農務省の女性研究者:農業研究サービス(ARS)人員計画における被雇用者と組織の利益」を開催しました(2011年8月5日)

講師のウチミヤ博士

講師のウチミヤ博士

8月5日に第3回となる海外ロールモデルによる講演会を開催しました。今回は、アメリカ合衆国農務省の農業研究サービス(USDA-ARS)のウチミヤ博士をお招きし、「アメリカ農務省の女性研究者:農業研究サービス(ARS)人員計画における被雇用者と組織の利益」と題し、ご自身のキャリアや生活、連邦職員としての待遇が職員のワークライフバランスの維持にどのように役立っているかについて、同僚へのインタビューの結果を交えてご紹介いただきました。所内を中心に約30名の参加があり、講演後には数多くの質問が寄せられ、時間いっぱいまで賑やかな討議が続きました。

・女性職員が働き続けられるワケ
 現在のUSDA-ARSの女性職員は常勤職員全体の42%、平均年齢は46歳だそうです。このように、女性が子育てをしながら長く働くことができる秘密について、何点かご紹介がありました。
その一つが柔軟な勤務時間です。40時間の労働時間を同じ週内で自由に配分できるシステムで、勤務時間を自分や家族の都合に合わせて調節できるそうです。二つめに、ユニークな休暇移転プログラムです。未消化の有給休暇を同僚に寄付できる制度で、病気や妊娠・出産で長期の休暇が必要になった人も、全国から寄付された休暇を使って安心して休むことができるそうです。そして、3つめが平等な業績評価制度です。これは評価実施者としての訓練を受けたグループが、被評価者への先入観なしに業績評価を実施するシステムで、公平性が保たれているのが好評とのことです。
これらにもう一点付け加えるとすれば、5年間の国レベルの研究計画の元で、1人の研究者に研究室と1名の常勤の技官が配属されるという研究環境があります。国家プロジェクトによる研究課題にのみ集中することができるため(外部資金に応募する自由もある)、年間2報(共著含む)のノルマも十分に果たすことができ、これにより(州立の多い)大学よりも高い論文生産性を維持できるとのお話でした。
 現在はこのような恵まれた制度がありますが、最初からこうだった訳ではない、というお話もありました。1990年頃は、職員250人の職場で女性がたった4人という状況でした。その後の10年間にこうした制度が整備された結果、2000年以降では全体の雇用が縮小する中でも女性の比率は維持・上昇してきた、という歴史があるのだそうです。

・アンケートでは
日本にも同じような制度があればという感想が多く聞かれましたが、果たして?

他機関の女性研究者支援活動への協力のご紹介(2011年7月)

農環研では、女性研究者支援事業の一環として、つくば市内の研究教育機関の諸活動に参加・協力しています。この中で、最近、筑波大学より依頼のあった2件についてご紹介します。

・ロールモデル講演会への講師派遣
 7月4日に学生・大学院生向けにロールモデル講演会が行われ、農環研から北本さん(生物生態機能研究領域)が協力しました。これまでご自身のたどってきた道筋を振り返った講演に対し、参加した学生からはさまざまな反響があったとのことです。講義の様子は、筑波大学男女共同参画推進室のHPに掲載されています(http://www.geo-wlb.tsukuba.ac.jp/node/2011 (リンク先が見つかりません。2015年8月))。

・ロールモデル集(増補改訂版)のインタビュー
 筑波大学では、若手女性研究者向けのロールモデル集を作成、配布しており、昨年度発行されたOB・OG版では、農環研から生物生態機能研究領域・北本さん、物質循環研究領域・南川さんがロールモデルとして、長谷部研究統括主幹が採用担当者として協力しました(関連情報は次のURLをご覧ください。http://www.geo-wlb.tsukuba.ac.jp/node/1995 (リンク先が見つかりません。2015年8月))。
 今年度は、ロールモデル集増補改訂版の作成のため、農環研に滞在中の海外の女性研究者のうち、生物多様性研究領域・Saima Hashimさん(パキスタン・ペシャワール農業大学、写真左)と農業環境インベントリーセンター・姜桂英さん(中国農業科学院農業資源与農業区画研究所、写真右)が協力しました(6月14日)。お二人は、つくばでの生活、農環研の研究環境、次世代の若手研究者へのメッセージなど、インタビュアーの質問に真摯に答えていました。

姜さん(左)と沖永さん(右)

姜さん(左)と沖永さん(右)

Saimaさん(右)と筑波大学・沖永さん(左)

Saimaさん(右)と筑波大学・沖永さん(左)

DSOセミナー「経営戦略としてのダイバーシティ」(産総研)に行ってきました(2011年4月27日)

産業技術総合研究所ダイバーシティー・サポート・オフィス(DSO)主催のエンカレッジセミナー「経営戦略としてのダイバーシティ」に、大浦主任研究員(物質循環研究領域)が参加してきました。

渥美由喜氏(東レ経営研究所)を講師に迎え、企業を対象とした調査データをもとに、ダイバーシティが長期的には組織の利益につながる・・・という内容でした。職場にいろんな人がいるというのはダイバーシティの第一歩であり、多様な経験を通して、自身にダイバーシティーを持たせることにより、多様な人材同士の理解やコミュニケーションが深まり、さらには生産性の向上にもつながるマネージメントが可能となるのだと、ご自身の育児と介護の実体験を交えながらお話しされました。

◇産総研ダイバーシティ・サポート・オフィス
 https://unit.aist.go.jp/diversity/ja/event/110427_dso_seminar.html (リンク先を修正しました。2014年10月)

東北農業研究センターに行ってきました(2011年2月28日)

セミナーの様子

セミナーの様子

農研機構東北農業研究センター(盛岡市)で、男女共同参画セミナーを共催しました。オーストラリアから招聘した女性研究者を交え、それぞれの環境における仕事と生活のバランスや、支援制度、研究キャリアについて情報交換を行いました。ランチョンミーティング形式で行ったセミナーでは、近隣の研究所からの参加もあり、育児の話や、こんな支援があると助かるという話、また、キャリアと生活のための決断をどのようにしていくかという話にも発展しました。
 東北農業研究センターは、農林水産省の研究所の中でも女性研究者の割合が多い方ですが、職場と宿舎が近く、保育所や学校も近いということで、落ち着いたアットホームな印象を受けました。

ロールモデル講演会「オーストラリアにおける女性科学者のワークライフバランスの現状」を開催しました(2011年2月25日)

この講演会は、ワークライフバランス(仕事と生活の調和)を保ちながら、研究面でも優れた業績をあげている海外の女性研究者を招き、その国や所属する研究機関の女性支援制度や自らの経験について講演してもらうことで、研究所内外の女性研究者のワークライフバランス向上に役立てることを目的としています。

今回は、オーストラリア CSIRO(Commonwealth Scientific and Industrial Research Organization)の女性研究者ドレッサー博士(Dr. Maria Fernanda Dreccer)をお招きし、ワークライフバランスをテーマに研究所の休暇制度や、ご自身のキャリアや生活についてお話していただきました。

オーストラリアの子育て支援事情は、休暇制度などは日本と似た点が多く、学童保育などは日本の方が進んでいるという印象を受けました。一方で、育児のために仕事を離れることが、キャリアを遅らせるという感覚がはっきりしており、これを避けるために、上司の理解のもとで、インターネットや人的ネットワークを駆使し、時間や場所(オフィス)にこだわらない多様な働き方が実施されているようでした。また、勤務時間を減らすという選択肢もあり、「自分はどうなりたいのか?そのためにどういうキャリアパスを選択するか?」を常に考えておく必要があるというアドバイスもいただきました。
 同じ研究者であるご主人と分担して、毎日お子さんの送迎をし、習い事も十分させ、育児も決して妥協しない様子を聞き、とかく子供にしわ寄せがいきがちな日本の共働き事情について反省させられました。自分のキャリアも大事であるが、次世代への投資という視点をもつことも大事で、後輩育成や子育てもこのひとつであるというお話は印象的でした。

研究所内の女性研究者の7割が参加し、近隣の独立行政法人などからの参加者も含めた31名が参加者しました。講演後の質疑応答の時間には、会場から研究環境や育児支援制度に関する多数の質問が出され、女性研究者のワークライフバランスに対する興味・関心の高さがうかがえました。

講師のDr. Dreccer

講師のDr. Dreccer

会場の様子

会場の様子

第3回サイエンスカフェを開催しました(2011年2月19日)

2 月19日(土)にウィズガーデンつくば (イーアスつくば内)にて、「植物で水をきれいにする」と題し、阿部上席研究員(土壌環境研究領域)の話題提供によるサイエンスカフェを開催しました。 サイエンスカフェとは、専門家と一般の方々が、コーヒーやお茶を飲みながら、科学について気軽に語り合おうというものです。

阿部研究員は、湿地植生を使って生活排水の栄養塩類を浄化する研究について紹介しました。合併浄化槽による処理水を植物を使って更に浄化することの意義や利点、普及に向けての問題点を、研究結果や事例を紹介しながら解説しました。また、研究者になったきっかけについて、科学実験に興味を持ち実施していたご自身の中学時代の様子も紹介されました。

今回は、牛久沼で水質や生物相の調査研究をおこなっている、牛久市立第三中学校の科学部の皆さんにも参加していただき、オリジナル研究の発表をしてもらいました。当日は、中学生や大学生から一般市民の方まで、当日参加の方も含め34人が集い、世代やバックグラウンドは異なる参加者同士で、環境保全のためのサイエンスについて知識や興味を共有することができました。

サイエンスカフェのチラシ

サイエンスカフェのチラシ

サイエンスカフェの様子

サイエンスカフェの様子

新潟大学に行ってきました 2011年2月9日)

新潟大学女性研究者支援室にて

新潟大学女性研究者支援室にて

新潟大学では、平成20年度から開始した女性研究者支援事業の一環で、メンター制度を実施しています。大浦主任研究員(企画戦略室)と下村特別研究員(物質循環研究領域)が、同大学を訪問し、農環研でも導入したメンター制度について、運用面で参考にするためにお話を聞いてきました。同大学のメンター制度は、キャリア形成支援、両立支援のテーマ毎に教員を含むチームが作られ、これを核に各学科への周知や協力依頼が行われるという体制で実施されていました。これにより、メンターの個人的負担も軽減され、継続的で効果的な制度運営が可能になるということでした。

その他、学生参加型で運営されている保育施設“新大シッター制度”は、教育学部の学生にとっては、実践の場ともなり、お互いの利益につながるよう工夫された制度となっていました。

また、理学部の女性准教授に、大学教員としての教育・研究の仕事に向かう姿勢についてのお話を聞くことができました。学生の指導から、予算獲得、自治体の委員関係の仕事まで含めて、キャリア形成のためには、自身の研究が自立していることはもちろんのこと、人の話や研究に興味を持つこと、外に出て広く敏感に情報をキャッチし、すぐに行動に移す瞬発力を持つこと・・・など、広い視野と柔軟性を持つことが大切であることを教えられました。


メンター交流会を開催しました(2011年2月4日)

2月4日(金)に第2回メンター交流会を開催しました。昼食をとりながら、先輩研究員(メンター)の皆さんと女性研究者の皆さんとの交流を深めてもらおうというものです。 メンターの方々に、「私のワーク・ライフバランス」を紹介してもらいました。 お昼休みの短い時間にも関わらず、25名の参加がありました。

メンター交流会の様子

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