育てやすくおいしい品種をつくる
お米のおいしさを決めるのは、甘さやうま味、ほどよい粘りけと柔らかさ、そして炊きあがった時の色、つやなどいろいろとあります。コシヒカリをはじめ、我が国で「おいしい」といわれている品種は、これらの要素をバランス良くそろえているわけです。
ただし、甘み、粘り、色つやなど多くの要素が組み合わさっておいしくなるので、「米をおいしくする遺伝子」も1種類ではありません。コシヒカリのほか、北海道の品種なども使って、おいしくなる仕組みを調べています。

最近ではおいしさに加え、安全で安心できるお米が望まれるようになってきましたが、その一方で、農村では人が減り、お年寄りが多くなってしまったため、手間やコストがかからず簡単に栽培できる性質がとても大切。でもそのような性質の品種のお米はあまりおいしくありません。この研究では、「お米をおいしくする」遺伝子を取り入れ、育てやすく、しかもおいしいお米が収穫できるイネの開発が進められていて、もう一口食べたくなるようなおいしい品種を作り出して、食料の自給率を上げられることも目標にしています。
日本の農業を続けていくために
農村では、後継者不足や高齢化が深刻な問題になっている。だから、できるだけ少ない労力で栽培できて、しかもおいしい米ができる品種を開発することが、日本の農業を続けていくために重要なんだよ。
