目的にあわせてたくさんとれるイネをつくる
世界中の人々の半分以上がお米を主食にしていますので、よりたくさんのお米がとれるイネをつくることは、世界的な食料不足を解決する糸口になるかもしれません。ただ、イネが穂を出し種(お米)をつけるまでには数多くの遺伝子が関わっているため、その仕組みを理解しながら、たくさんのお米がとれるイネを作るのは決して簡単なことではありません。
そこで現在、イネゲノム研究で得られた知識を活かし、イネの穂や種の大きさ・形を決める遺伝子、根から水や養分を吸収するために必要な遺伝子、光合成で作られたデンプンを種に送るための遺伝子などを見つけ、その働きやつながりを知るための研究が進められています。

さらに、お米がムダなく収穫できるように、収穫の前にお米が落ちてしまわない性質、たくさんついたお米の重みで倒れない丈夫な茎を作る性質についての研究も進んでいます。
イネは今後、家畜のエサやバイオエタノール原料などにも使われる見込みですが、食用以外のイネの場合は、お米以外の部分がたくさんとれる品種も必要です。用途に応じた部分がたくさんとれる品種の開発も、イネゲノム研究の大きなテーマの1つなのです。
目的に応じた品種の開発
人間の食料にする場合は、お米がたくさんとれる方が良いけど、牛のエサにするのなら、茎や葉がたくさんとれる方が良いよね。遺伝子を研究することで、目的に応じた部分がより多く収穫できる、様々な品種を開発しようとしているんだ。
