生物機能利用研究部門

遺伝子組換え作物の栽培実験

令和元年度遺伝子組換えイネ(ノボキニン蓄積イネ)の 栽培管理及び交雑調査結果について

国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)は、観音台第2事業場隔離ほ場において、令和元年6月3日(月曜日)に種子を搬入、同日に育苗を開始し、遺伝子組換えイネ(ノボキニン蓄積イネ)の第一種使用等(※)による栽培を行ってきました。

この度栽培を終了しましたので、種子等の拡散防止措置、花粉飛散による交雑調査及び収穫以降の処理等に関してお知らせします。

なお、第1種使用規程承認組換え作物栽培実験指針に基づき実施したモニタリング措置による交雑調査の結果、交雑粒は見つからなかったことをお知らせします。

第一種使用等:「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」に基づいた開放系(水田)での使用

種子等の拡散防止措置

  • 防鳥網設置令和元年6月26日(水曜日)
  • 防鳥網撤去令和2年1月9日(木曜日)

収穫以降の処理

  • 収穫(稲刈り)及び脱穀令和元年10月2日(水曜日)、3日(木曜日)
    • 系統ごとに植えたイネは隔離ほ場内で乾燥し、脱穀しました。種子増殖の目的で栽培したイネは稲刈り後に脱穀し、隔離ほ場内の作業棟内において乾燥機により乾燥しました。
    • 収穫量 564.7kg(粗籾)
    • 収穫物は、実験動物を用いた安全性調査等の材料等として使用します。また、密閉容器等に入れ、他の種子と区別して実験室の冷蔵庫等に保管しています。
  • 残渣処理令和2年1月9日(木曜日)
    • 令和2年1月4日(土曜日)にひこばえの枯死を確認し越冬試験を終了しましたので、残渣(ワラ等)は、不活化処理のため隔離ほ場水田内で裁断し、地下部とともに、隔離ほ場水田内に鋤込み処理しました。

交雑調査

  • 調査方法(モニタリング用指標作物配置期間 令和元年8月14日(水曜日)~9月3日(火曜日))
    • 隔離ほ場を囲むように敷地境界等10箇所に開花期が重複する指標作物「関東糯236号」を植えたポットを設置しました。
  • 調査結果
    • 指標作物から収穫した種子21,256粒を調査した結果、キセニア現象を生じていたものは0粒で、交雑は認められませんでした。