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バイオ燃料変換技術研究開発

農研機構
バイオマス研究センター
食品総合研究所

平成20年度 研究成果報告

(最終更新日:2010年3月12日)

バイオマス変換要素技術の高度化

(独)農研機構 食品総合研究所 食品バイオテクノロジー研究領域 機能分子設計ユニット
(独)農研機構 食品総合研究所 食品バイオテクノロジー研究領域 生物機能利用ユニット
(独)農研機構 食品総合研究所 食品工学研究領域 製造工学ユニット
(独)農研機構 食品総合研究所 微生物利用研究領域 酵母ユニット
(独)農業環境技術研究所 生物生態機能研究領域
秋田県農林水産技術センター 総合食品研究所
熊本大学 工学部 物質生命化学科 生物工学講座
国際農林水産業研究センター 利用加工領域
東京大学 大学院 農学生命科学研究科 生物材料科学専攻 森林化学研究室
東京農工大学 大学院 共生科学技術研究院 環境資源共生科学部門
東京農工大学 大学院 共生科学技術研究院 若手人材育成拠点
富山県農林水産総合技術センター 森林研究所 森林資源課
日本大学 生物資源科学部 農芸化学科

区切り線

担子菌によるwhole cropの直接エタノール発酵技術の開発
代謝工学によるwhole cropの直接発酵に適した担子菌の開発
固体発酵を利用した農業地域での資源循環の可能性
酵素複合体を活用したリグノセルロース系バイオマスの効率的糖化技術の研究開発
阻害物質耐性の向上及び発酵阻害物質の制御によるバイオエタノール発酵過程の効率化及び低コスト化に関する研究
アラビノース発酵系の構築による高効率5炭糖発酵性酵母の開発
セルラーゼのオンサイト生産技術の確立

食用のエノキタケが糖化活性と発酵活性の両方を併せ持つことを確認、一工程でエタノールを生産するプロセス構築へ

◇セルロース系バイオマスから一工程でエタノールが作れる次世代バイオエタノール生産プロセス「糖化発酵同時進行(CBP)」の構築を目指しています。食用キノコであるエノキタケFlammulina velutipesが糖化活性と発酵活性の両方を持っていることが確認でき、さらに複数のエノキタケから両活性が高いFv-1株を選抜することができました。

「糖化発酵同時進行(CBP)」の構築

発酵阻害物質などのストレスに耐性の酵母を選抜

◇セルロース系バイオマスの糖化処理後の液には、種々の発酵阻害物質が含まれており、発酵過程における酵母の働きを阻害します。発酵過程において高い発酵活性が維持できるように、発酵阻害物質に体制の酵母や、エタノール生産過程で生じる種々のストレスに体制の酵母を選抜しています。

ストレス体性酵母の選抜

高い糖化活性を示す「酵素複合体(セルロソーム)」を産生する菌株の取得に成功

◇セルロース系バイオマスの糖化において、Clostridium thermocellum由来の「酵素複合体(セルロソーム)」は多様な触媒機能と基質結合能を有する 酵素です。高い糖化活性を示す菌株の取得に成功し、この菌から調製した酵素複合体は、市販のカビ酵素に比べて顕著に高い酵素活性を示しました。

高活性能を有する菌株の分離
高活性能を有する菌株の分離
水熱処理稲わら分解能の比較
水熱処理稲わら分解能の比較
処理

無殺菌・長期連続発酵技術の開発

◇無殺菌・長期連続発酵技術を開発する目的で、凝集性酵母と塔型リアクターを用いて、資源作物による連続発酵試験を行いました。ソルガムジュースまたはケーンジュースを原料に長期間無殺菌・連続発酵を実施した結果、エタノール生産において90%程度の高い発酵収率が得られました。

無殺菌・長期連続発酵技術の開発