花き研究所

花き病害図鑑

黄化えそ病(オウカエソビョウ)

Spotted wilt(ウイルス)

植物名: アルストロメリア(ユリズイセン) アルストレメリア科 Alstroemeria spp.及び種間雑種
病原菌: Tomato spotted wilt virus TSWV
病徴写真

葉の退緑斑点

茎の褐色条斑

葉身に発生した輪紋

葉身に発生した輪紋

奇形化した花弁
病徴:

葉にモザイクが現れたり、淡褐色~褐色に変色したえそ斑が形成される。葉の病斑は拡大して淡緑色で紡錘形となる。葉一面に病斑が形成され、病斑の中心部に褐色のえそ斑が目立つようになる。激しい場合は葉が湾曲したり、茎に褐色の条線が現れる。本病に罹病した植物が周囲に放置されていたり、媒介虫のアザミウマ(特にミカンキイロアザミウマ)が多発している条件では発生しやすい。

発生時期:

全時期、秋

発生場所:

施設

防除法:

TSWVはアザミウマ類の幼虫が罹病植物を吸汁し、ウイルスを獲得する。これが虫体内で増殖し、成虫になって各植物を食害することで、ウイルスが媒介される。アザミウマは終生ウイルスを媒介し続けるが、経卵伝染はしない。

備考:

TSWVは不安定で不活化温度が40~46°Cで10分、希釈限界は2×10の2~3乗、保存限界は2~5時間である。ナス科、キク科、マメ科など多くの作物や雑草に感染し、寄主範囲は広い。

文献:

高橋義行ら:関東病虫研報45:105,1998,高橋義行ら:関東病虫研報46:77,1999

外部サイト:

日本植物病名データベース

記述者:

菅原敬(山形県庄内産地研究室),木口忠彦(道花野セ)

記載日: 2008年11月18日

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