花き研究所

花き病害図鑑

根茎腐敗病(コンケイフハイビョウ)

Pythium rot(糸状菌)

植物名: アルストロメリア(ユリズイセン) アルストレメリア科 Alstroemeria spp.及び種間雑種
病原菌: Pythium aphanidermatum,Pythium myriotylum,Pythium helicoides
病徴写真

地上茎の葉が萎れる症状。

定植間もない株での発病。生育が悪い。

上記の地上茎を引き抜いたもの。水浸状の病斑が広がり軟化腐敗が見られる。

地下茎の症状。あめ色水浸状の病斑が地下茎全体に広がる。

大きくなった株でも、株全体が枯死する場合もある。この症状からはP.myriotylumを分離した。
病徴:

地上茎では、栄養茎や開花茎が下葉から黄化し、やがて茎全体が枯れ上がる。重症では地下茎を含めた株全体が枯死する。堀り起こすと、地上茎の地際から地下部、または地下茎にあめ色で水浸状の病斑が観察される。進展が急速であるため、定植して間もなく罹病すると、うね全体の株が枯死することもある。発病程度には品種間で差がみられる。

備考:

本病の病原として3種類のPythium属菌が記録されている。上記病徴はP.miriotylumが分離された株の状況を示すが他の2種でも病徴では区別できない。

文献:

竹内純・堀江博道:日植病報65(3):410,1999,菅原敬ら:日植病報76(1):44,2010菅原敬:山形農試特別研報2:1,2010

外部サイト:

日本植物病名データベース

記述者:

菅原敬(山形県庄内産地研究室)

記載日: 2012年2月2日

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