花き研究所

花き病害図鑑

灰色かび病(ハイイロカビビョウ)

Botrytis blight(糸状菌)

植物名: アスター(エゾギク、翠菊) キク科 Callistephus chinensis
病原菌: Botrytis cinerea
病徴写真

葉身での病徴。平成11年7月

葉の病斑、同心円紋が見える。

葉の病斑、病斑のふちに胞子が形成されている。

立枯れた株の茎に形成された病原菌の胞子

褐変部に灰色のかびが見える。

茎が黒褐変している。
病原菌写真

分離菌の分生子。

分離菌の分生子表面構造。
病徴:

低温、過湿の状態が続くと茎、葉や花こう、花に発生しやすい。葉では褐色輪紋状を呈し、灰褐色のかびを生じる。花こう、花でははじめ水浸状、褐色腐敗し、その後病斑上に灰褐色のかびを生じる。茎に生じた場合は、発病部から上は立ち枯れる。

発生時期:

発生適温は20°C前後、東北地方では夏期

発生場所:

施設

防除法:

過湿を避け、ほ場全体にマルチをする。ハウス内が夕方にモヤがかかり、早朝に水滴がビニルから落ちるような条件で多発しやすい。灌水に注意し、加湿状態が 続く時期は加温を行って湿度を下げる。生育が過繁茂となるような施肥や灌水は発病を助長しやすいので、密植を避け、下葉をかき通風をよくする。咲き終わっ た花こうは取り除き、施設外へ持ち出して処分する。

備考:

病原菌は極めて多犯性である。

文献:

上住 泰・西村十郎:原色花の病害虫154,1975

外部サイト:

日本植物病名データベース

記述者:

植松・田中千華(千葉県暖地園試),菅原敬(山形県庄内産地研究室)

記載日: 2012年1月23日

研究センター