花き研究所

花き病害図鑑

モザイク病(モザイクビョウ)

Mosaic (ウイルス)

植物名: イリス類(ダッチアイリス、ジャーマンアイリス、アヤメ、カキツバタ、ハナショウブ) アヤメ科 Iris spp.
病原菌: Bean yellow mosaic virus, Iris mild mosaic virus,Turnip mosaic virus
病徴写真

球根アイリスのモザイク症状

植物全体のモザイク症状、株が小型化している。
病徴:

病徴からの病原ウイルスの診断は困難である。最初は葉に淡緑色の細い条線ができ、葉が伸長して成葉になるとモザイク症状を起こす。退色部には灰白色の小えそ斑の形成が見られる。IMMVでは花弁に症状を現さない。BYMVでは花に斑入りを生ずる。

発生時期:

3月頃

防除法:

球根伝染する。汚染球根の除去、生育期間中のアブラムシの防除。

備考:

イリス類はダッチアイリス、ジャーマンアイリス、アヤメ、カキツバタ、ハナショウブなどを含み、それぞれで感染するウイルスが異なる。ウイルス性病害としてはウイルス病、えそ輪紋病、モザイク病の3種類がある。ウイルス病は球根性のアイリスで発生し、その病原はBBWV、CMVおよびNarcissus latent virusである。えそ輪紋病はハナショウブなどで発生し、Japanese iris necrotic ring virusによる。モザイク病は球根性のアイリスで発生し、BYMV,IMMVおよびTuMVによって同様の症状が引き起こされる。IMMVはアブラムシ により非永続的に伝搬される。

文献:

井上成信ら:日植病報 44(3):397,1978 井上成信ら:日植病報 43(1):99,1977 井上成信ら:日植病報 47(2):182,1981 井上成信:作物ウイルス病事典:523,1993, 井上成信・光畑興二:日植病報42(3):383,1976 井上成信・光畑興二:農学研究 57(1):1,1978

外部サイト:

日本植物病名データベース

記述者:

築尾嘉章(花き研)

記載日: 2012年2月10日

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