花き研究所

花き病害図鑑

デュモンティニア根腐病(デュモンティニアネグサレビョウ)

Dumontinia root rot(糸状菌)

植物名: オオミスミソウ(ユキワリソウ) キンポウゲ科 Hepatica nobilis var. japonica formamagna
病原菌: Dumontinia tuberosa
病徴写真

01.一部葉の枯れた発病初期の株

02.株全体の枯れた発病後期の株

03.発病後期の株の腐敗した根

04.腐敗した根に付着した白い菌糸塊

05.腐敗した根に付着した黒い菌核
病原菌写真

1.菌核のサイズ

2.菌核の断面

3.発病株の鉢に生じたきのこ(子のう盤)

4.子のう盤のサイズ

5.子のう盤の断面

6.子のうと子のう胞子
病徴:

初め葉がしおれ後に株全体が枯れ込む。発病中期以降、黒変腐敗した根には必ず白色菌糸塊が着生し、長径10~13mmで黒色の菌核に発達する。翌年、枯死株の鉢土上に菌核から生じた直径数cmの茶色い漏斗状~皿状のきのこ(子のう盤)が群生することが多い。

発生時期:

3~4月

発生場所:

雨よけ施設

防除法:

きのこ(子のう盤=伝染源)が発生する前に発病株と鉢土を焼却する。菌核は土中で生存し子のう盤を生じるので、地中に埋めても防除効果は低い。

備考:

病原菌はアネモネタマチャワンタケと呼ばれ、春先キンポウゲ科の多年草群落内にきのこ(子のう盤)を生じる。

文献:

佐藤豊三ら:日植病報76(1):42,2010,Uzuhashi S, et al.Journal of General Plant Pathology76(3):183-187,2010

外部サイト:

日本植物病名データベース

記述者:

佐藤豊三

記載日: 2011年2月2日

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