花き研究所

花き病害図鑑

うどんこ病(ウドンコビョウ)

Powdery mildew (糸状菌)

植物名: バラ(バラ類) バラ科 Rosa spp.
病原菌: idium sp., Podosphaera pannosa, Sphaerotheca pannosa
病徴写真

葉に白色の粉がかかった様になる。

葉裏の菌そう。

花蕾に発生した白色粉状の菌叢。

葉の症状。白色の菌叢を生じる。

初期病斑

早春の罹病枝、前年の病斑跡が紫色で残っている。

前年の病斑部(紫色)に越冬後、発生した本病。これが第一次伝染源になる。

越冬後の翌春、展開したての新芽に発生した本病。
病原菌写真

病原菌の分生子柄および分生子。

病原菌の分生子柄及び分生子、分生子は鎖生、フィブローシン体を含む。
病徴:

茎葉、蕾に発生する。うどんこをふりかけたように白い斑点症状がみられる。発病は若い柔らかい組織が中心だが、激発すると植物全体に及ぶ。若い葉では葉縁 がカールするなど奇形を生じ、花首ではいわゆるベントネックを引き起こすなど、商品価値が著しく低下する。夏期や冬期はうどんこ症状は見えないが病斑跡は 紫色に変色し、ここに菌糸の状態で潜在していると考えられる。

発生時期:

春季~初夏および秋季

発生場所:

施設、露地

防除法:

施設では夜間の暖房と昼間の換気を徹底する。発病に品種間差異が大きい、被害茎葉は速やかに取り除き、発生初期から異系統の薬剤散布を行う。

備考:

施設バラ栽培で最大の病害。Podosphaera(完全時代の名前)とも言うが国内では完全時代は確認されていない。病名目録ではSphaerotheca pannosaで記載されたが、新分類体系により現名へ変更された。

文献:

出田 新:日本植物病理学 270, 1903 ,  白 井光太郎:植物病理学(下)改訂版 190, 1900

外部サイト:

日本植物病名データベース

記述者:

菅原敬(山形県庄内産地研究室) 植松清次(千葉県暖地園研環境研) 築尾嘉章(花き研)

記載日: 2012年2月15日

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