花き研究所

花き病害図鑑

根腐病(ネグサレビョウ)

Root rot(糸状菌)

植物名: バラ(バラ類) バラ科 Rosa spp.
病原菌: Pythium helicoides
病徴写真

被害株の病徴。

育苗中における発生。

被害株の根部病徴、黒褐色に変色し細根は脱落。
病徴:

定植してから30cmくらいから折り曲げをする時期に根が腐り、下葉が黄化し枯れる。根が黒変する。多発時期は夏(7月~9月)、菌の最適温度 30~35°Cで、培地温度が20°C以下になると病害の発生が見られなくなる。ロックウール栽培で急速に広がっている。土耕栽培では発生しない。養液タンク や源水タンク、ベットの養液温度が25~30°Cになると被害が一気に広がり、ロックウールベット内の温度が30~35°Cになると被害が著しくなる。病気の 広がりは早く1週間で1ベットくらい枯れてしまうこともある。

発生時期:

5~10月

発生場所:

施設

防除法:

被害株を早急に抜き取る。ノイバラ台は抵抗性が高いとされている。オドラータは抵抗性がない。養液濃度が高いと肥料焼けによる根腐れを起こし、これが伝染 を助長する。水分過多で多発しやすいので、ベンチ等の停滞水による水分過多には注意する。改植時にはレベル調整を行うとともに栽培期間中も定期的に行う。 定植前には資材をケミクロンG等で洗浄、消毒する。

文献:

Kageyama, K. et al.: J. Gen. Plant Pahol. 68(1): 15, 2002

外部サイト:

日本植物病名データベース

記述者:

鈴木幹彦(静岡農林研)

記載日: 2012年2月14日

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