花き研究所

花き病害図鑑

うどんこ病(ウドンコビョウ)

Powdery mildew(糸状菌)

植物名: ハナツクバネウツギ(アベリア、ハナゾノツクバネウツギ、ツクバネウツギ) スイカズラ科 Abelia grandiflora
病原菌: Erysiphe abeliae, 旧属名:Microsphaera
病徴写真

植栽全体に発生することは少なく、さほど目立たない。

葉に斑点状に白色粉状でやや厚い菌層を生じる。

このような当年生のシュートでは発病が早くから見られる(矢印)。

茎に発生したうどんこ菌叢。
病原菌写真

病原菌はフィブロシン体を欠く。表生菌糸上に分生子柄を直立し、分生子を単生する。分生子は楕円形~長楕円形。

菌糸の付着器はこぶし状。
病徴:

葉の両面に白色粉状の菌叢を生じる。日陰で茎葉が密になっている風通しの悪い株に発生するが、近年、その発生および被害は小さい。

発生時期:

8月

発生場所:

露地

備考:

発病株では翌年以降も4月頃、茎や新葉に本病の再発が見られるので、病原は植物体上で越年するものものと思われる。とくに当年生のシュートには早くから病斑が見られる。

文献:

平田幸治・和田久美子:菌蕈研報10:497,1973 ,  大谷吉雄:日本菌類誌3(2):214,1988 丹田誠之助:東農大農学集報,42,173,1997

外部サイト:

日本植物病名データベース

記述者:

星 秀男(東京都農林総合研究センター)・築尾嘉章

記載日: 2011年6月10日

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