花き研究所

花き病害図鑑

黒かび病(クロカビビョウ)

Leaf spot(糸状菌)

植物名: パンジー(サンシキスミレ、コチョウソウ、スミレ類) スミレ科 Viola wittoriana
病原菌: Cercospora violae
病徴写真

本病の病斑、下の方の病斑では胞子形成が見られる。

病斑部と健全部の境界が不明瞭な進展型病斑。

大型病斑、胞子を形成する子座が黒く見える。

大型病斑
病原菌写真

分生子

分生子柄の集合(子座、着色)と分生子(無色)。

分生は無色、糸状で多細胞。

病斑の実体顕微鏡像、分生子が多数形成されている 。
病徴:

出荷間近のポット苗の葉に暗黒色から暗紫色、周縁が不鮮明な病斑を形成。のちに病斑中央部からややへこんだ白色の病斑となり、すす状の胞子を生じる(ただし分生子は無色透明、分生子柄は着色)。激発すると葉が枯れる。

発生時期:

9月

防除法:

潅水や雨滴で分生子が飛散して病害が広がるので、罹病葉は早めに除去する。また過湿は感染を促進するので注意する。

備考:

罹病葉を湿室に保つと葉の裏面に分生子が形成され、多量に形成されるとルーペで確認できる。病斑の付近は黒っぽく見える。これは分生子柄(子座)が暗色のためである。

文献:

今井四郎:病虫雑 2(4):345, 1915(大 4) ,  南部信方:病虫雑 8(6):286, 1921(大10)

外部サイト:

日本植物病名データベース

記述者:

岡田清嗣(大阪府環境農林水産総合研究所)、鈴木幹彦(静岡農林研)、築尾嘉章(花き研)

記載日: 2012年11月26日

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