花き研究所

花き病害図鑑

灰色かび病(ハイイロカビビョウ)

Gray mold(糸状菌)

植物名: カンパニュラ(フウリンソウ) キキョウ科 Campanula spp.
病原菌: Botrytis cinerea
病徴写真

葉の症状。淡褐色~褐色の病斑が広がる。

同左。茎では採花時の切り口や、罹病葉から広がることが多く、しばしば淡灰褐色の分生子を形成する。

鉢物用品種での発病。

同左。
病原菌写真

鉢物用品種から分離した菌株の分生子

鉢物用品種から分離した菌株の分生子表面構造(電子顕微鏡)
病徴:

茎葉に発生する。はじめ水浸状の暗緑色の病斑が広がり、乾くと褐色の病斑となる。茎に発病した場合、上部が萎凋、枯死することもある。多湿条件下ではしばしば患部に分生子を形成する。

発生時期:

5月

発生場所:

施設、露地

防除法:

1.本菌は極めて多犯性で花き類をはじめ、多くの野菜類や果樹に灰色かび病を引き起こす。2.生育温度は5~30°Cで35°C以上では生育できないため、盛 夏期には」発生が少ない。菌糸の伸張は20°C付近、胞子形成の適温はやや低い16°C付近である。3.本菌は腐生性が強く、有機物上で腐生的に繁殖できるた め、残渣等はほ場外に持ち出す。4.多湿条件で発生しやすいため、過繁茂にならないように注意し、換気により湿度の低下を図る。

備考:

病原は極めて多犯性である。

文献:

成田武四:北海道における農作物病害199,1977,成田武四:北海道における農作物および鑑賞植物の病害誌659,1998

外部サイト:

日本植物病名データベース

記述者:

菅原敬(山形県庄内産地研究室)

記載日: 2012年3月13日

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