花き研究所

花き病害図鑑

黒さび病(黒葉渋病)(クロサビビョウ)

Black rust(糸状菌)

植物名: カーネーション ナデシコ科 Dianthus caryophyllus
病原菌: Puccinia arenariae
病徴写真

葉裏に黒色の盛り上がった円形病斑が形成される(葉をめくったところ)。

葉の表側では病斑部が退緑・黄化する。

病斑が大型化すると葉が変形する。

病斑の拡大。冬胞子堆。表皮が破れ冬胞子が露出している。
病原菌写真

冬胞子堆の切断面

冬胞子
病徴:

主に葉に発生する。また、茎、葉柄にも発生することもある。下葉から発生が始まり、葉が混み合う開花期には上葉にも感染が広がる。直径0.5~1cmの周 辺がやや不明瞭な黄斑点となる。小さい病斑が葉の全面に広がることもある。病斑部の葉の表面はややくぼみ、裏面中央に黒褐色ビロード状の集塊が盛り上が り、拡大すると中央部は灰白色粉状となる。病斑周辺組織は黄白色に変色する。

発生時期:

10月(無加温ハウス)、5月

発生場所:

施設

防除法:

発生が認められたら早期に被害葉を取り去り、まん延を防ぐ。

備考:

本病はジプシー系品種群で発生が多い。

文献:

今井四郎:病虫雑1(1):77,1914 原 攝佑:実用作物病理学565,1925,塩谷 浩ら:日植病報 59(1):42,1993 佐藤 豊三ら:日植病報 60(4):535,1994

外部サイト:

日本植物病名データベース

記述者:

植松清次(千葉県暖地園研環境研)

記載日: 2012年2月7日

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