花き研究所

花き病害図鑑

赤星病(アカホシビョウ)

(糸状菌)

植物名: カマツカ(ウシコロシ) バラ科 Pourthiaea villosa var. laevis
病原菌: Gymnosporangium asiaticum, Gymnosporangium japonicum
病徴写真

葉裏に形成されたしゅう子毛

左:葉裏のしゅう子毛、右:葉表は橙黄色で黒色小粒点が見える。

橙黄色の病斑内の小黒点(精子器)
病原菌写真

銹子毛とその内部、さび胞子が詰まっている。

銹子毛の電子顕微鏡写真。
病徴:

新葉展開後すぐに葉に発生。葉表に橙黄色で周囲不鮮明な円形斑を生ずる。このなかに帯黄色の小粒点(精子器)ができる。この小粒点は成熟すると黒色となる。この頃、病斑裏面は肥厚しその先に淡黄色で長めの毛状体(しゅう子毛)を形成する。これが本病の最も特徴的な標徴である。

発生時期:

6月頃

備考:

カマツカでは精子とさび胞子を形成。ビャクシン類で冬胞子を形成する異種寄生菌、カマツカからカマツカへの伝染はない。 G.asiaticumはナシ赤星病菌と同一。

文献:

G.asiaticum;原 攝祐:赤星病の研究:46,1925、平塚直秀:日菌報16(1):91,1975,G.japonicum;原 攝祐:果樹病害論:94,1916、 吉永虎馬:植物学雑15(171):97,1901

外部サイト:

日本植物病名データベース

記述者:

築尾嘉章(花き研)

記載日: 2012年7月13日

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