花き研究所

花き病害図鑑

黒さび病(クロサビビョウ)

Rust(糸状菌)

植物名: キク キク科 Chrysanthemum morifolium
病原菌: Puccinia tanaceti
病徴写真

葉表の白っぽい斑点

葉表の褐色から黒褐色の斑点

葉裏の円形状の病斑

葉裏の円形状の病斑、夏胞子堆

葉の表面では退緑斑点になる。葉柄付近の大きな退緑斑点(2個)の裏側には大型の胞子堆ができている。

同一葉の裏側、一面に胞子堆が形成されている。葉柄付近の2カ所の病斑は大きい(この2カ所が最初に形成された病斑で周囲の小病斑は二次伝染によって形成されたものと考えられる)。
病原菌写真

夏胞子

夏胞子堆の電子顕微鏡写真。

冬胞子堆

夏胞子(単細胞)と冬胞子(2細胞)
病徴:

葉の裏に褐色~黒褐色の小さな斑点があらわれ、やがて拡大し、黒~褐色の粉状の菌体(夏胞子堆)があらわれる。斑点が増えると黒さび特有の斑点を中心とした円形状の病斑も見られる。多発した場合は葉の表面や茎にも病斑が拡大する。葉の表の斑点がやや白っぽく、白さび病の症状に似ていることもある。

発生時期:

生育期

発生場所:

露地

防除法:

露地栽培で多く見られる。白さび病に準じて防除する。

備考:

白さび病の発生適温より高温側で発生しやすい。

文献:

草野俊助(1904):植物学雑誌18(209):99,南部信方(1914):病虫雑1(1):73

外部サイト:

日本植物病名データベース

記述者:

忠英一(フラワーセあおもり)

記載日: 2012年1月31日

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