花き研究所

花き病害図鑑

赤かび病(アカカビビョウ)

Bud blight(糸状菌)

植物名: キク キク科 Chrysanthemum morifolium
病原菌: Fusarium avenaceum
病徴写真

花弁が褐色に腐敗する。

花弁が褐色に腐敗する。

花弁の病斑と展開不良
病原菌写真

F.avenaceumの大型分生子
病徴:

1994年に認められた病害であるが、それ以降の発生は希で、散発的である。症状は花雷のみに認められる。はじめ未展開の花雷の花弁が淡褐色になり、褐色、水浸状に腐敗し、のちに黒褐色の病斑となる。やがて花蕾全体に病斑が進展し、花弁が未展開のまま枯死するか、一部の花弁が展開するに留まる。病斑上に オレンジ色の胞子塊(スポロドキア)が形成される。

発生時期:

開花期(9月)

備考:

前年の罹病残渣中に菌糸や胞子の形で越冬し、これが伝染源となる。さらに残渣上で胞子塊(スポロドキア)を形成し、胞子が飛散してキクに達する。病原菌は トルコギキョウの茎腐病、コムギの赤かび病と同一の病原菌なので同病害の発生した路地、栽培隣接地ではこれら作物上で形成された胞子が伝染源となる。発生は9月頃に認められ、多湿条件になると発生しやすい。

文献:

堀田治邦・児玉不二雄:北日本病虫研報47:75,1996

外部サイト:

日本植物病名データベース

記述者:

忠英一(フラワーセあおもり)、木口忠彦(道花野セ)

記載日: 2012年1月31日

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