花き研究所

花き病害図鑑

白さび病(シロサビビョウ)

Rust(糸状菌)

植物名: キク キク科 Chrysanthemum morifolium
病原菌: Puccinia horiana
病徴写真

葉の表・裏の乳白色の小班点。

葉の表側は退緑斑点となる。

葉裏に形成された冬胞子堆

葉身全体に激発した状態。

胞子堆の周辺は退色する。

病斑が多発生し、葉が変形、枯れ

葉裏の冬胞子堆。大きい冬胞子堆のまわりに小さい冬胞子堆。
病原菌写真

冬胞子(着色)は2細胞

冬胞子堆を形成する冬胞子
病徴:

葉、茎、総苞に発生する。葉では乳白色の小斑点を生じ黄色みを増しながら直径2~3mmとなり、裏面は隆起し冬胞子堆を形成する。病勢が激しい場合、葉身全体に病斑が発生する。

発生時期:

施設は3~6月と10~11月、露地は梅雨期と9~11月

発生場所:

施設・露地

防除法:

多くは保菌した苗でほ場に持ち込まれる。そのため、発病していない親株から採穂する。また、罹病葉は早めに摘み取り処分する。特にハウス栽培では過湿にならないように注意する。薬剤耐性菌を回避するため、同一系統の薬剤は連用しない。

備考:

本菌の異種寄生は知られていない。また胞子の形態も冬胞子一種のみである。本菌は絶対寄生菌でもあり、キクの植物体上で潜在菌糸や冬胞子で越冬し第一次伝染源になると考えられる。本病の詳細は内田(1983)に詳しい。

文献:

草野俊助:植物学雑誌18(209):99,1904,出田 新:日本植物病理学528,1911 内田勉:山梨県農業試験場研究報告22.1-105,(1983)

外部サイト:

日本植物病名データベース

記述者:

菅原敬(山形県庄内産地研究室)

記載日: 2012年4月23日

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