花き研究所

花き病害図鑑

さび病(サビビョウ)

Rust(糸状菌、担子菌類)

植物名: クズ(葛) マメ科 Pueraria lobata
病原菌: Phakopsora pachyrhizi
病徴写真

葉の表側は褐色の斑点が多数形成される。

葉の裏側はいぼ状の盛り上がった淡褐色の病斑(冬胞子堆)が多数形成される。

淡褐色のいぼ状の斑点(冬胞子堆)の拡大
病原菌写真

病原菌の冬胞子

夏胞子堆の縦断切片像

夏胞子堆の電子顕微鏡像

冬胞子堆と冬胞子
病徴:

初め葉の裏に淡褐色ないし暗褐色の小角斑が散らばって現れ、やがて斑点 の内側が隆起して裂開し淡褐色の粉状夏胞子が噴出する。生育末期には黒色に盛り上がった小いぼ状の冬胞子堆が散生する。

発生時期:

晩春~晩秋

発生場所:

クズの自生地

防除法:

クズはダイズさび病の伝染源になるので、ダイズ畑の周囲では特に発病個 体を除去することが重要。

備考:

病原菌はダイズやハギなど複数のマメ科植物に寄生する同種寄生種

文献:

平塚直秀:植物学雑誌 49:785, 1935(昭10) ,  伊藤誠哉:大日本菌類誌 2(2):141, 1938(昭13)

外部サイト:

日本植物病名データベース

記述者:

佐藤豊三(農業生物資源研)、築尾嘉章(花き研)

記載日: 2011年8月19日

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