花き研究所

花き病害図鑑

灰色かび病(ハイイロカビビョウ)

Gray mold(糸状菌)

植物名: ロイカンセマムパルドーサム(ロイカンセマム、ノースポール) キク科 Leucanthemum paludosum
病原菌: Botrytis cinerea
病徴写真

葉の病徴。暗緑色水浸状の病斑が広がる。 平成11年11月

重症の場合、枯死することがある。

同上。患部に生じた分生子。
病原菌写真

分離菌の分生子柄および分生子

分離菌の分生子表面構造
病徴:

茎葉では下葉の外縁部が暗緑色, 水浸状に変色し, やがて拡大する。茎を取り囲むように発病すると罹病部から上部が萎凋枯死することがある。しばしば病斑部に淡灰褐色の分生子を形成する。

発生時期:

7月

防除法:

1.本菌は極めて多犯性で花き類をはじめ、多くの野菜類や果樹に灰色かび病を引き起こす。
2.生育温度は5~30°Cで35°C以上では生育できないため、盛夏期には発生が少ない。菌糸の伸張は20°C付近、胞子形成の適温はやや低い16°C付近である。
3.本菌は腐生性が強く、有機物上で腐生的に繁殖できるため、残渣等はほ場外に持ち出す。
4.多湿条件で発生しやすいため、過繁茂にならないように注意し、換気により湿度の低下を図る。

備考:

病原は極めて多犯性である。

文献:

菅原敬ら:北日本病虫研報51:119, 2000

外部サイト:

日本植物病名データベース

記述者:

菅原敬(山形県庄内産地研究室)

記載日: 2009年1月25日

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