花き研究所

花き病害図鑑

枝枯菌核病(エダガレキンカクビョウ)

Shoot blight(糸状菌)

植物名: ライラック(リラ、ムラサキハシドイ) モクセイ科 Syringa vulgaris
病原菌: Sclerotinia sclerotiorum
病徴写真

新梢からの枝枯症状

当年枝のまだ柔らかい茎葉が罹病する。

褐色の小斑点を生じ、やがて拡大する。

病斑上の白色菌糸塊
病徴:

主に若い葉に発生し、はじめ葉縁が淡緑色~淡褐色に腐敗し、やがて飴色の不正形病斑となる。病斑が進展すると葉全体を褐色に枯死させ、さらに葉柄を伝って 若い枝へ達する。新梢の病斑は進展すると先端部からゆでたような症状になり、病斑部から折れやすくなり、新梢全体が垂れ下がる。病斑部は多湿条件が続くと 白色の菌糸が生じる。これらはやがて白色の菌糸塊となり、成熟して黒色の菌核となる。花弁にも感染し、退色した水浸状の病斑となる。

発生時期:

7~8月

発生場所:

露地

備考:

前年の罹病残渣中で越冬した菌核や病斑部から落下した菌核が伝染源となる。ここから子のう盤が形成され、子のう胞子が飛散して、感染する。寄主範囲が広いため、他の植物残渣中で形成された子のう盤から飛散した子のう胞子で発病する場合もある。北海道では5~6月になると気温が15~20°Cとなり、子のう盤の開盤に好適条件となる。さらに樹下が雑草などに覆われ、遮光条件となったり、降雨などの湿度上昇で開盤は促進される。

文献:

鍵渡徳次・小澤 賢:関東病虫研報 34:109,1987

外部サイト:

日本植物病名データベース

記述者:

木口忠彦(道花野セ)

記載日: 2009年1月25日

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