花き研究所

花き病害図鑑

腐敗病(フハイビョウ)

(糸状菌)

植物名: シンビジウム ラン科 Cymbidium spp. 及び種間雑種
病原菌: Fusarium oxysporum
病徴写真

株の外側の葉から黄化腐敗する。

本病の初期症状は葉の黄化

発病株の根は褐変している。

左:発病株のバルブは褐変している。右:バルブ切断面;腐敗は内部に及び、導管を中心に褐変している。
病徴:

根とバルブが腐敗し、株全体が淡緑色に退色する。バルブや葉基部の維管束が浮き出る萎凋症状を呈し、ついには枯死する。新葉は、簡単にバルブから抜け、赤褐色のカビをバルブ周辺に発生することがある。 本病に侵された発病初期のバルブを切断すると導管の褐変と白色の健全部が見られるが、白色部は数分の後に淡褐色に変色する特徴がある。

発生時期:

罹病株は周年認められるが、発生は5月から8月頃特に顕著になる。

発生場所:

施設栽培および露地栽培

防除法:

発病株は施設外に持ち出し焼却処分する。鉢や用土は新しいものを使用し、再使用する鉢は資材消毒したものを用いる。高温、多湿、多肥栽培で多発するため、適正な栽培管理をする。

文献:

木嶋利男、峰岸長利: 日植病報49(1):79,1983. 深谷雅博、宮川壽之:愛知農試研報17:306-311,1985.深谷雅博ら:愛知農試研報22:219-224,1990.

外部サイト:

日本植物病名データベース

記述者:

市川和規(山梨県総合理工学研究機構)

記載日: 2011年9月8日

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