花き研究所

花き病害図鑑

紫かび病(うどんこ病) (ムラサキカビビョウ)

(糸状菌)

植物名: シラカシ(クロガシ、カシ類、 ウバメガシ、アカガシ、ウラジロガシ) ブナ科 Querus myrsinaefolia
病原菌: Cystotheca wrightii
病徴写真

葉裏に褐色~紫色の厚いかびが生える。

新葉に発生したうどんこ症状。若い葉は本病のため変形している。

葉表のうどんこ症状

新葉に発生したうどんこ症状。若い未展開の葉は大きく変形している。

シラカシでの発生状況

葉の裏に紫褐色でビロード状の菌叢を生じる。菌叢を生じた部分の葉表は黄化する。
病原菌写真

病原菌の分生子および分生子柄

閉子のう殻を割ったところ。内部から子のうが飛び出している。

多数の付属糸(褐色)を伴う閉子のう殻(球形)。
病徴:

初夏に新葉が白粉をまぶした様に白くなる。秋になると白粉は見えなくなり葉裏は暗褐色でビロード状の厚い菌叢が覆うようになる。菌叢の形成された葉の表側は黄化する。

備考:

本病はツブラジイ、アカガシ、シラカシ、ウバメガシ、ウラジロガシなどに発生する。本病は紫色のかびが目立ち、一見したところ、うどんこ病のように見えないがうどんこ病の一種である。

文献:

原攝祐:樹病学各論:4,1923(大12) ,野村幸彦:日本産ウドンコ菌科の分類学的研究、養賢堂、1997

外部サイト:

日本植物病名データベース

記述者:

築尾嘉章(花き研究所)

記載日: 2011年11月28日

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