花き研究所

花き病害図鑑

褐斑病(カッパンビョウ)

Leaf spot(糸状菌)

植物名: スターチス(リモ二ウム) イソマツ科 Limonium sinuatum
病原菌: Cercospora insulana
病徴写真

葉の円形病斑

花茎に形成された病斑

葉の斑点病斑

葉の斑点病斑
病徴:

スターチス・シヌアータで発生する。はじめ葉に淡褐色の小斑点が生ずる。これが拡大して中央部が褐色、周縁部が淡褐色の円形の病斑となる。病斑の中央部は 分生子が形成されると、褐色から灰褐色へ変わる。病斑は円形病斑が融合し、葉全体に拡がると枯死する。外葉から中心葉へ病斑が拡大し、やがて花茎にも病斑 が形成される。花茎では翼の部分に葉と同様の病斑が多数形成され、商品価値を低下させる。

発生時期:

3月下旬頃から6~9月

発生場所:

施設

防除法:

残渣は集めて燃やしてしまう。2~3月に施設内が比較的高温や過湿になると発病が多くなるので、換気を心がける。またかん水による土の跳ね上がりに気をつける。

備考:

第一次伝染源は罹病した被害葉や残渣上で越冬した菌糸と考えられる。ハウス内の湿度が高い圃場や灌水過多などにより、残渣上に分生子が形成され、飛 散して 発病を起こす。病斑は拡大すると中央部に分生子が再形成され、灰褐色となる。このサイクルを繰り返してまん延するが、分生子の飛散距離は遠くなく、スポッ ト的な発生となる。低温期の感染および病斑形成は緩慢であるため、北海道では多発することは少ない。

文献:

沼田 巌:日植病報 25(!):24,1960 ,  Katuki,S.:Rept. Tottri Mycol. Inst. 10:565,1973

外部サイト:

日本植物病名データベース

記述者:

木口忠彦(道花野セ),植松清次(千葉県暖地園研環境研)

記載日: 2012年2月9日

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