花き研究所

花き病害図鑑

苗立枯病(ナエタチガレビョウ)

Damping-off(糸状菌)

植物名: ストック(アラセイトウ) アブラナ科 Matthiola incana
病原菌: Rhizoctonia solani AG-4 IIIA
病徴写真

立ち枯れした株。8月下旬定植の「雪波」に発生。

同上拡大。地際部付近がくびれるように褐変している。

発生ほ場。 坪枯れ状に被害が拡大する。

立ち枯れ株。 定植1ヶ月以内の発病が多い。

地際部がくびれることから、他の病害と区別できる。

引き抜くと地際部がくびれているのが確認できる。

ほ場で発病した株。 引き抜くと、菌糸に土壌の粒子が絡みつくことがある。

同上株。維管束が褐変しない、容易に引きちぎれない等で他の立枯れ症状と区別できる。

胚軸部分があめ色に変色し倒伏している。
病原菌写真

シャーレ内に地際部の罹病組織を入れ、保湿すると数日で菌糸が広がる。

同上。しばしば暗褐色の菌核を生じる。
病徴:

育苗中の苗や定植後間もない株に発生する。地際部付近がくびれるように褐変し、地上部は萎凋しやがて枯死する。庄内のストック立ち枯れ症状の中では立枯病 とならんで多い。苗や小さい株では罹病部が水浸状に腐敗するが、10cm程度の株では引き抜いてもちぎれないで残る。株を引き抜くと菌糸に土の粒子が絡ん で罹病部に付いてくることがある。また、罹病株周辺の地表面をよく観察するとクモの巣状の菌糸が見えることがある。

発生時期:

9月

防除法:

例年発病のみられるほ場では植え付け前に土壌消毒を行う。発病後は罹病株を早めに抜き取り処分する。

文献:

植松清次ら:関東病虫研報 40:85, 1993

外部サイト:

日本植物病名データベース

記述者:

菅原敬(山形県庄内産地研究室)

記載日: 2012年2月9日

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