花き研究所

花き病害図鑑

えそ病(エソビョウ)

(ウイルス)

植物名: チューリップ ユリ科 Tulipa spp.
病原菌: Olive latent virus 1,Tobacco necrosis virus
病徴写真

葉のえそ斑

花弁に現れたえそ病斑

葉脈に沿った線状病斑
病原菌写真

病原ウイルス(TNV)の電子顕微鏡写真
病徴:

葉には葉脈にそって褐色の紡錘形ないし線状のえそ小斑を形成する(図18)。病斑中央部はやや陥没し、病斑周縁部は水浸状となる。病斑は次第に拡大し、いくつかが融合して大型の条斑となる場合がある。病斑の形成された葉は捩れる。重症株では株全体が萎縮する場合がある。発病株は健全株に比べ早期に枯れ上がる。 花弁では絣状のえそ条線もしくは増色型の細い条線が生ずる場合がある。球根では鱗片内部にえそを生ずる場合がある。

備考:

TNVはNecrovirusに属する径約26nmの球状ウイルスで,根に寄生する菌類の一種であるOlpidium brassicaeによって伝搬される。

文献:

Kanematsu, S. et al.: J. Gen. Plant Pathol. 67(4):333, 2001 ,  草葉敏彦ら:日植病報 43(1):76, 1977 松涛美文ら:日植病報 43(1):77, 1977 名畑清信ら:富山農試研報 9:1, 1978

外部サイト:

日本植物病名データベース

記述者:

築尾嘉章

記載日: 2011年7月13日

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