花き研究所

花き病害図鑑

モザイク病(モザイクビョウ)

Mosaic(ウイルス)

植物名: チューリップ ユリ科 Tulipa spp.
病原菌: Tulip breaking virus,Cucumber mosaic virus,Lily mottle virus
病徴写真

TulipBreakingVirusによる花弁の色割れ。左から増色型(色の濃い部分ができる)、退色型、両者の混合。

萌芽期に見られる葉のモザイク症状

一般に白花・黄花では顕著な色割れは見られない。品種「マウリーン」で見られる緑色の色抜けの不揃いによるモザイク症状。

花茎に現れたモザイク症状(茎の赤色部分)

品種「アンジェリケ」におけるモザイク症状(左:罹病、右:健全)

枯れ上がり期に現れたモザイク症状

品種「白雲」の枯れ上がり期に見られる葉の白色条線症状

増殖型の病徴(花弁の一部が濃色になる)

白花では花弁に症状は出ないが、めしべの花柱が左の健全に比べ右の罹病株は緑色が部分的に薄くなり、柱頭は脱色する(品種「ブライトレディ」)。
病原菌写真

細長いひも状粒子(電子顕微鏡像)
病徴:

生育の全期間で発病するが最も見やすいのは花弁に現れる色割れである。但し、白色や黄色の花弁では色割れは現れにくい。萌芽時の葉や枯れあがり前の葉にもモザイク症状が現れる。発病すると健全株に比べ背丈が低くなることが多い。

防除法:

ほとんどのウイルスはアブラムシにより伝染されるので殺虫剤を散布する。

備考:

北陸地方の球根養成畑ではTulip Breaking Virusが主に発生。

文献:

名畑清信・草葉敏彦・向畠博行(1988)富山県農技セ研報2:1-132

外部サイト:

日本植物病名データベース

記述者:

築尾嘉章(花き研究所)

記載日: 2012年1月12日

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