あまなつ
今、食べ頃の果物は、「あまなつ」、「はっさく」、そして前回紹介しました「清見」でしょうか。
「あまなつ」、「はっさく」は1983年頃もっとも沢山作られており、31万トン、22万トンほどありましたが、今では、4万トン、3万トンほどになってしまいました。
今生産されている産地は、「あまなつ」が熊本、愛媛、鹿児島県など、「はっさく」は和歌山、広島、愛媛県などですが、比較的栽培条件の良い所で、美味しい果実が採れ、出荷されています。
冬の寒さを避けるため、早く収穫する産地もありますが、できるだけ樹に成らせておいて、遅く取ったものが美味しい果実になります。
「あまなつ」は江戸時代の中頃、山口県で発見された「なつみかん」を改良してできたものです。
最近はあまり見かけませんが「なつみかん」は、ものすごく酸っぱく、昔は砂糖や重そうをつけて食べたものでした。
酸の少ない品種に改良され、「川野なつだいだい」という品種が今の「あまなつ」の元になっています。
ナシの花と受粉の様子
今回は、もう一つ、ナシの花を紹介します。今、関東地方のナシ産地では、花が真っ盛り。畑一面真っ白です。

果樹研育成「あきあかり」の花

果樹研育成「筑水」の花
ナシの人工授粉
ナシは自分の花粉では実を付けませんので、他の種類のナシの花粉を付けてやる必要があります。
実際は、綿毛のようなもので1花ずつ花粉を付けていく作業をします。この作業を液体に懸濁した花粉をスプレーして行うのです。作業が随分楽になりました。溶液受粉と呼んでいます。 これで美味しいナシができるのです。

一つずつ行う人工授粉の様子

スプレーで行う溶液受粉の様子
溶液受粉は、
- 人工受粉作業時間が省力化できる
- 少量の雨が降っていても作業ができる
というメリットがあります。ナシの白い花が色付いたところが、溶液受粉の作業が終わったところです。
果樹研究所では「幸水」「豊水」を育成してきましたが、近年、「あきづき」「なつしずく」「王秋」などの品種も市場に出回るようになってきました。食べ頃になったら、また紹介します。












