果樹研究所

一押し旬の話題

2011年11月15日

カキ「太天」、カンキツ「興津早生」

今年は、天候の影響でしょうか、早採り果が多かったのでしょうか、カキの味が今一つと言うのに当たることが多かった気がします。
果樹研究所では大きくて味の良いカキ(渋ガキですが)を育成しました。「太天(たいてん)」です。まだ、皆さんのお目に留まることはないかもしれませんが、大いに期待していただきたいカキです。

ミカンでは、早生ミカンが出回り始め、漸くミカンらしい味のミカンになってきました。
ハウスミカンや早生ミカンの主流となっているのが「宮川早生(みやがわわせ)」と「興津早生(おきつわせ)」です。
2つの品種でウンシュウミカンの3分の1を占めています。「興津早生」は果樹研究所で作った品種です。

カキ「太天」

太天

カキ「太天(たいてん)」は、1993年に渋ガキの「黒熊(くろくま)」に甘ガキ「太秋(たいしゅう)」を交配して、2009年に品種登録した渋ガキ品種です。
前回紹介した「太月」と同じ組み合わせの姉妹品種です。
500gにもなる大果で、食味の良い晩生の不完全渋ガキです。500gと言うと、「富有」の2倍程度です。
東広島市での成熟期は11月中旬です。

渋ガキですので、脱渋が必要ですが、CTSDという炭酸ガス脱渋により、ほぼ完全に脱渋しますが、「平核無」より高温での処理が必要となります。
脱渋後でも「太秋」のようなさくさくとした食感があり、柔軟多汁で食味が優れています。
「太秋」の子供ですので、黒く小さな亀裂が入る『条紋』がやや発生します。

カンキツ「興津早生」

興津早生

ウンシュウミカンの「興津早生」は、1940年に「宮川早生」にカラタチを受粉して得られた種を発芽させたもの(珠心胚実生(しゅしんはいみしょう)と言います)の中から、選抜されたものです。
『みかん農林1号』として、1963年に命名登録されました。

早生温州の栽培面積の約3割程度を占めている品種です。また、世界的にも広く栽培されています。、/p>

果実の着色は親の「宮川早生」より5日くらい早く、果汁中の糖・酸は「宮川早生」より高く、濃厚な食味です。
樹上で完全着色した後も味ボケせず、風味が増しますので、完熟栽培が可能な品種です。

じょうのう膜(袋)が軟らかく、袋のまま食べられます。ミカンは種もなく、ナイフも要らず、どこでも食べられる果物です。

研究センター